「サポーター養成講座」で障がいのある社員の応援者を増やす【厚木主管支店】
2024.02.21
”誰一人取り残さない”社会の実現を目指して、各主管支店の人事・総務担当を中心に
今回紹介する厚木主管支店では、障がいのある社員への理解を深めるためにするなどの取り組みを進めています。
厚木主管支店の人事・総務担当、主管支店長、厚木ロジセンターのセンター長にお話を聞きました。
障がいに関する知識を学ぶ「サポーター養成講座」を開催

人事・総務担当
障害者職業生活相談員
及川 恵理さん
厚木主管支店では、2023年8月よりハローワークが無料で職場に出張し、知的障がいや精神障がい、発達障がいのある方の特徴や効果的な対応方法などを教えてくれる。社員が、障がいのある社員と一緒に働く上で必要な基礎知識を学んでいます。
開催のきっかけは、厚木ロジセンターで働くある社員の悩みでした。その社員は、入社したばかりの障がいのある社員4名をサポートしていましたが、適切な指導やコミュニケーションのやり方がわからず困っていました。そこで、上司である前澤センター長に相談。前澤センター長は「障がいのある社員のサポートを、一部のベテラン社員の経験に頼ってしまっていた」と振り返り、「誰もがサポートできるようにするにはどうしたらよいか」と人事・総務担当の及川さんに相談しました。
相談を受けた及川さんが対応を検討していたところ、サポーター養成講座のお知らせを発見。ハローワークに問い合わせ、開催を決めました。多くの社員に参加してもらえるように、営業所の所長を中心とした業務役職者に対してメールで案内を送り、参加者を募集。参加は強制ではなく任意とし、役職を問わず興味のある社員も参加できるようにしました。その結果、第1回目のサポーター養成講座には30名が参加。特に厚木ロジセンターからは、前澤センター長と共に多くの一般社員が参加しました。
サポーター養成講座では、障がいの種類やその特徴、効果的なサポート方法を学びます。例えば「知的障がいのある社員に対しては、理解しやすい環境をつくることが有効。仕事内容を細分化して手順書にまとめて渡したり、『何時に何の作業をする』というタイムスケジュール表を用意したりするとよい」といったことです。障がいのある社員のニーズは個人や状況によりさまざまで、職場では臨機応変な対応が必要ですが、そのベースとなる基礎知識を習得することができます。
及川さんは、と話します。「今回サポーター講座を初めて開催するに当たっては、さまざまな項目の検討が必要でした。例えば、社員の一部(役職者など)は参加を必須とするかどうか悩み、各事業所の状況を考慮して最終的には『全員が任意参加』と決めました。既に2回(2023年8月と2024年1月)開催し、合計約50名の社員が受講しています。当日は、講師に質問したい社員が多くて質疑応答の時間が足りないなどの嬉しい驚きもありました。3月までにあと2回開催する予定です。一般社員にもより多く参加してもらえるように告知していきます」。
厚木ロジセンターの職場づくり

厚木ロジセンター
センター長
前澤 義貴さん
前澤センター長は、働きやすい職場環境をつくり、障がいのある社員の定着率を向上させるために取り組んでいます。その中でも前澤センター長が大切だと思う2つのポイントを紹介します。
①上司が理解し、協力すること
障がいのある社員やその同僚社員は、さまざまな場面で困りごとに直面することがあります。大切なのは、です。
前述のとおり、部下から「障がいのある社員への指導やコミュニケーション方法がわからない」という悩みを聞いた前澤センター長は、すぐに人事担当の及川さんに相談しました。前澤センター長の上司にあたる渡辺主管支店長(当時)は、現場の状況を理解し、「サポーター養成講座」の開催を後押ししました。
上司が部下を理解しようと努め、部下のために協力的に行動することで、職場の問題が解決され、より良い職場が生まれます。
また、部下が困りごとを上司に言いやすい雰囲気、つまり風通しの良い職場づくりも重要です。前澤センター長は、部下が悩みを気軽に相談してくれるように、朝礼を雑談から始めて親しみやすい雰囲気をつくったり、日頃から社員への細やかな声かけをしたりしています。
②不要な特別扱いをしないこと
前澤センター長は、「例えばと話します。障がいのある社員に配慮が必要な場面はもちろんありますが、不要な特別扱いはしないようにしています。
その影響か、厚木ロジセンターでは障がいのある社員同士で、先に入社した社員が後輩を指導したりフォローしたりする関係性が築かれています。障がいの有無に関わらず分け隔てなく扱われることで、後輩の面倒をみるなどの自主性が自然と育まれたのかもしれません。
〈クローズアップ社員!〉
大根田 匠さん
入社年:2019年
障がい種別:知的障がい
担当:ピッキング、検品、積み込み作業
厚木ロジセンターには、キューピーさまの食品通販事業を支える冷蔵エリア・冷凍エリアがあります。大根田さんは、ここで商品のピッキングや検品などの作業を担当しています。冷蔵エリア内は5℃、冷凍エリア内は-25℃という厳しい環境で、日々熱心に業務に励んでいます。
最近は、「フォークリフト作業に挑戦したい」と希望し、フォークリフトの資格取得に向けて準備中。同僚からも「仕事の幅を広げたいという意欲が高く、真面目」と信頼されています。
冷蔵・冷凍エリアで働く、名付けて“極寒チーム”の皆さん。前列左から3人目が大根田さん
今後の展望
- 及川さん
長所や短所、得意、苦手は誰にでもあるものです。今後も、個々の社員の強みを生かしつつ、楽しく働ける職場をつくることが目標です。
特に、営業所での障がい者雇用をさらに推進するため、職場実習の受け入れを増やしていきます。
人事・総務担当 マネージャー
番場 優規さん
これまでは慣例で障がいのある社員の入社式をしていなかったのですが、地域の障がい者雇用推進者会議を通じて、実施している主管支店を知りました。厚木主管支店でも昨年初めて開催したところ、親御さんや特別支援学校の先生から大変感謝されました。障がいのある社員を尊重し、彼らの活躍を応援する取り組みの重要性を改めて実感しました。
今後も障がい者雇用を推進し、多様な社員が活躍できる職場づくりを進めたいです。所長をはじめ、社員の理解を促し、障がいのある社員の定着率向上を図ります。
厚木主管支店 主管支店長(2024年1月取材当時)
渡辺 光章さん
先日、ヤマト福祉財団から助成金を受けた平塚市の団体を訪問しました。そこは障がいのある方々がクリエイティブ活動を行っているアトリエで、アート作品を見せていただき、大変感動しました。スタッフの方々との会話の中で、「障がいのある方々の能力や才能を理解し、活躍できるように応援する」姿勢を学びました。
その姿勢こそが、障がい者雇用を推進する上でも大切なことだと思います。厚木主管支店では、今後もサポーター養成講座を続けるほか、営業所のGOPを対象に「手話研修」も開催したいと考えています。
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検品作業をする大根田さん




