コミュニケーションを工夫し、 誰もが安心して働ける職場をつくる【愛媛主管支店】
2023.10.18
”誰一人取り残さない”社会の実現を目指して、各主管支店の人事・総務担当を中心に障がい者雇用の推進と誰もが活躍できる職場づくりを進めています。
今回紹介する愛媛主管支店では、障がいのある社員31名のうち26名がしており、です。この愛媛主管支店で障がい者雇用を推進している人事・総務担当の橋本さんと石田さんに、採用の工夫などを聞きました。

人事・総務担当 マネージャー
橋本佳典さん

人事・総務担当 障がい者雇用推進者
石田光恵さん
採用の工夫:ハローワーク・支援機関との連携
2021年に障がい者雇用推進者となり、地域の支援機関が主催するイベントへの参加や、ハローワークへの訪問を重ねてきた石田さん。その経験を通じて、が採用につながると語ります。
「SDだけじゃない」ヤマト運輸の仕事を詳しく紹介
石田さんが支援機関主催のイベントに参加し、様々な支援機関の担当者と話した時のことです。石田さんが「作業の人材を募集している」と話すと、「ヤマト運輸さんだから、SDを募集しているのかと思った」と驚かれることが何度かありました。営業所やベースの作業や事務といった職種は、ヤマト運輸の社員にとっては当たり前でも、社外の人からはイメージしづらいのでしょう。
と感じた石田さん。イベントなどで支援機関の方とお話しする際には、営業所の作業であれば、お米や飲料といった宅急便上限規定の30㎏の重い荷物を運ぶ必要があることや、作業場が屋外であり暑さ・寒さの影響を受けることなどを具体的に説明するようにしました。そして、興味を持っていただいた方には現場見学にお越しいただくことをお勧めしました。イベントで仕事内容を詳しく紹介したことをきっかけに、採用につながったケースもあります。
勤務時間を「2時間」から「4時間」・「5時間」に変更
愛媛主管支店がハローワークに求人を出し始めた当初は、応募者が全く現れませんでした。営業所の作業担当として「2時間」契約の社員を募集していましたが、数カ月が経っても音沙汰がないことが続きました。
「求人条件と障がいのある方が求める条件の間にミスマッチがあるのかもしれない」と考えた石田さんは、ハローワークの担当者に相談。を教えてもらえました。例えばヤマト運輸で朝2時間勤務した後、他の職場に移動して別の仕事をするといった働き方は、障がいのある方にとって負担が大きいことが多いためです。
そこで石田さんは、受け入れ先の候補となっていた営業所の所長と相談。朝の仕分け作業に加えて、車両の清掃や営業所内の消毒業務を組み合わせ、4~5時間の連続勤務ができるようにしました。求人の勤務時間を変更したところ、1ヶ月以内に応募がくるように。営業所での採用が軌道に乗り始めました。
定着のために①:見学・職場実習で、業務のリアルを伝える
愛媛主管支店の事業所に勤務する障がいのある社員は、ご家庭の事情などで退社する方はいるものの、「仕事が合わない」「人間関係がうまくいかない」といった理由での退社が極めて少ないです。障がいのある社員が長く働けるようにするために、入社前のイメージと勤務開始後の現実とのギャップを減らす工夫や、職場でのコミュニケーションにおける配慮などをしています。
入社後に「仕事が合わない」と感じて退社する社員が少ない理由について、橋本マネージャーは「」と言います。例えば障がいのある方が営業所の作業の求人に応募された場合は、ご本人と支援機関の方に営業所に来ていただき、実際の業務を体験してもらいます。所長が業務の説明をし、重い荷物を持ち上げて仕分けることや、夏は暑く冬は寒いなどの厳しい面も包み隠さずに伝えます。
ご本人と支援機関の方には入社後をリアルにイメージしてもらい、勤務できそうか否かを具体的に検討した上で入社してもらいます。このようにして、。
定着のために②:職場の同僚の心がけ
障がいのある社員が長く働けるようにするには、も大切です。松山東営業所の事例を紹介します。
一番左が 所長 村上 重彰さん。その隣の池田 真実さん、大森 将孝さん、吉岡 将輝さんは作業担当で、障がいがあります。一番右の畑中 智代さん、その隣の吉岡 佳奈子さんは同僚です。
同僚の畑中智代さんと吉岡佳奈子さん、所長や副所長を含め、営業所のメンバーは皆「同じ質問を受けても、何度でも根気強く答える」ことを意識的に行っています。障がいのある社員が質問をしてきた際、「前にも同じことを教えたよね」と答えてしまうと、次から質問しづらくなってしまいます。。
また、業務を教える際には、。障がいのある社員にとって、抽象的な説明は理解しづらいことが多いからです。例えば、荷物をボックスから下ろす際やボックスに積み込む際には、お客さまのため、SDのため、ベースの作業員のために、荷物をつぶさない工夫や荷物を取り出しやすくする工夫が必要です。この時に単に「相手を思って、荷物を扱いましょう」と言うのではなく、横に立って一緒に作業しながら、「この荷物はこの後ベースの作業員がボックスから取り出して仕分けます。取り出す時に崩れて落ちてこないように、重い物や大きい物から順に積み込んでください」などと具体的に一つひとつ教えます。
こうしたコミュニケーションの工夫により、。また、障がいのある社員が働きやすい職場は、障がいの有無を問わず誰もが働きやすく、安心して働ける職場でもあります。
クローズアップ社員!
松山東営業所で働く3名を紹介します。
到着した荷物をコース別に仕分ける・発送する荷物を該当のボックスに仕分ける作業と、構内の整理、荷物の情報入力を担当しています。

吉岡 将輝 さん
入社年:2021年
障がい種別:知的障がい
「入社当初は、仕分け札の種類が多く、数字で仕分けをすることが難しかったです。分からない時は同僚に教えてもらったりしました。最近は、SDが集荷したフリマサイトの荷物のシール貼りも手伝っています。これからは、夕方のボックスの整列を一人で完璧にできるようになりたいです」

大森 将孝 さん
入社年:2022年
障がい種別:精神障がい
「分からないことがある時や、相談したい時に、同僚や上長にすぐ質問・相談できる環境なのがとても良いです。繁忙期には業務量が多いですが、良い職場環境で安心して仕事ができています。入社希望者に業務内容を説明する時に話が長くなってしまう傾向があるので、落ち着いて説明できるようになりたいです」

池田 真実 さん
入社年:2023年
障がい種別:知的障がい
「曜日により運行が異なり、仕分け札が変わるので、それに合わせて荷物を仕分けることに慣れるまで時間がかかりました。また、一つでも多くの荷物をボックスに入れるために、どの荷物をどこに入れたらよいか悩んでしまうことがあります。もっとスピーディーに行えるように工夫したいです。また、可能であればフォークリフトの免許を取得したいです。1人で作業している時に運行ドライバーの方にお願いすることがあるため、自分が取得して業務に貢献したいです」
吉岡さん(左)が理解しやすいように、指差しを交えて丁寧に説明する村上所長
今後の展望
人事・総務担当
橋本さん、石田さんより
これまで営業所で障がいのある方の採用を進め、安心して勤務を継続いただける工夫をしてきました。その一方で、主管支店の各部署ではまだ障がいのある方に勤務いただけておらず、。
例えば、主管支店の複数部署では毎日定型の資料を作成しています。パソコン作業が得意な方を採用し、この資料作成をまとめてお願いできれば、私たちのマンパワーを現場支援により多く振り向けることができると思います。
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