すべて

障がいの有無を問わず「正しい方法」が身に着くよう徹底サポート【道東主管支店】

2023.11.15

  • 669
  • いいね(44

“誰一人取り残さない”社会の実現を目指して、各主管支店の人事・総務担当を中心に障がい者雇用の推進と、誰もが活躍できる職場づくりを進めています。


今回紹介する道東主管支店では、障がいのある社員が16名勤務しています(2023年9月時点)。そのうち3名が、帯広中央営業所に所属。日々の発送作業の中心となって活躍しています。


帯広中央営業所の山本所長、作業担当の藤川さん、江平さん、畠山さん、人事・総務担当の平田さんにお話を聞きました。

 

 

営業所の発送作業は”任せて安心”

帯広中央営業所 
所長
山本 智さん

帯広中央営業所では、日中から夕方にかけての構内作業を入社8年目で経験豊富な藤川さんと、3年目の江平さんが中心となって行っています。10月には藤川さんの特別支援学校の後輩だった畠山さんも加わりました。

 

単に日々の作業を行うだけでなく、同僚にルールを守るよう促したり、新入社員や特別支援学校から実習にきた生徒に業務を教えたり、実習生の面談に同席して助言したりと大活躍。山本所長は「安心して業務を任せることができる」と言います。

 

山本所長の指導方針

山本所長は、「障がいのある社員だからといって、私が特別にしていることはほとんどありません。障がいの有無に関わらず、社員には『やるべきこと・正しいこと』と『やってはいけないこと』をしっかりと伝えます。良い仕事をした際には、その場で感謝の気持ちを伝えることを大事にしています」と語ります。

 

山本所長が特に徹底しているのが、『安全』に関する指導です。障がいのある方は入社前に職場実習を受けることが多いですが、実習の初日から安全に作業をするためのルールを伝え、「ここではそれが当たり前」と感じてもらうようにしています。命に関わるため、誰もが厳守しなければならないことだからです。

 

知的障がいや精神障がいのある社員に伝える際には、言葉だけでなく、ジェスチャーや実演を交えながら具体的に説明することが有効です。例えば、「ロールボックスパレットは引っ張ったら手首をひねったり、足の上に乗って怪我をするから、こうやって押すんだよ」と実際にやって見せながら教えます。正しい方法や、避けるべき行動、その理由を具体的に説明しています。

 

また、障がいのある人は、一度教えられたことを「それが正しい」と考え守る傾向があります。「以前に教えたことと今回の指示が異なると、彼らを混乱させてしまうので、指示内容がブレないように気をつけています。その半面、彼らは教えられたことを守り、仕事を完遂することに関して秀でていると感じます。私が仕事上のルールをしっかり伝えることで、他の社員の手本になってくれると期待しています」と山本所長は話します。

 

良い仕事をした際には、その場で感謝の気持ちを伝えることも大事です。山本所長は「忙しい時に一生懸命頑張ってくれてありがとう」「荷下ろしを手伝ってくれてありがとう」と、その場で伝えるようにしています。相手の働きを称え、感謝していることをこまめに伝えることで、障がいの有無を問わず誰もが「頑張って働いてよかった」と感じられる職場を目指しているのです。

 

クローズアップ社員!

帯広中央営業所の3名を紹介します。
到着した荷物の仕分け、トラックへの積み込み、情報入力、クール機材の清掃などを担当しています。

 

藤川 聖那さん
入社年:2016年
障がい種別:知的障がい

 

入社から7年が経ち、仕事に慣れてきた今だからこそ、油断せず注意深く作業するよう心がけています。荷物をボックスに積み込む際には、ミスを防ぐために仕分けコードの番号を声に出して確認しています。これは入社当初、仕分けミスをしてしまった時にSDさんから教えてもらった方法で、今も実践しています。

 

最近は新入社員や実習生に仕事を教える機会が増えました。まさか自分が教える立場になるとは思っていませんでしたので、少し居心地が悪いです(笑)。作業の流れと安全面の注意点について、これまで学んできたことを、正しく伝えるように心がけています。営業所の統合で構内が広くなったので、より効率的な荷物の仕分けや安全に配慮したボックスの配置などを工夫していきたいです。まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。より良い方法を考えながら、仕事に取り組みます」

 

 

江平 祐樹さん
入社年:2020年
障がい種別:知的障がい

「前日に仕分けミスがあった時には藤川さんから共有してもらい、同僚の皆に対して『昨日、こんなミスがありました。これから注意しましょう』と声をかけています。私自身もクール宅急便の仕分けを誤った経験があり、それからは特に注意して作業しています。

以前は別の営業所で働いていました。営業所によってボックスの並べ方などが違うので、間違いがないように仕分けコードの番号をしっかり確認しています。実習生や新人社員に業務を教えることもあり、質問を受けたら丁寧に答えるよう努めています」

 

 

畠山 智哉さん
入社年:2023年
障がい種別:知的障がい

「スーパーの倉庫で働いていた前職の経験を生かしたいと思い、ヤマト運輸に入社しました。藤川さんは特別支援学校の先輩で、知り合いがいる職場で働けることに安心しています。

入社2日目に、これから配達する荷物を誤ってベース行きのボックスに入れてしまいました。それ以来、ベースに発送する荷物を仕分ける際には、帯広中央営業所の配達エリアの仕分けコードでないかよく確かめることにしています。藤川さんから作業のコツや注意点をたくさん教わり、ミスをした時は指摘してもらっています。早く仕事を覚えて、会社に貢献できるように努力します」

 

 

 

主管支店によるサポート・今後の展望

人事・総務担当
アシスタントマネージャー、障がい者雇用推進者
平田 元さん

障がいのある社員の受け入れと就業の機会をさらに広げていきたい

道東主管支店では、これまで特定の支援機関や特別支援学校と連携して採用活動を行ってきました。

 

さらに、自治体が開催する地域の特別支援学校向けの面接会に参加することで、これまでつながりのなかった学校の生徒さんにもヤマト運輸を知っていただける機会を広げています。実際に、江平さんは帯広市の面接会を通じて入社しました。

 

平田さんは、「今後も各職場での受け入れ体制を整え、障がいのある社員を積極的に採用していきます。帯広中央営業所は、障がいの有無に関わらず皆が仲良く働いており、誰もが分け隔てなく働ける職場づくりがかなり進んでいます。帯広中央営業所のような働きやすい職場を、他の事業所にも広げていくことが目標です」と語りました。

 

44