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【社長メッセージ】もっとやさしい宅急便

2024.03.29

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気候変動や温暖化などのテーマが取り上げられることが増え、実感としても冬が以前より暖かくなったように思う。先日ある損害保険会社の方から、「寒さによる水道管破裂などの損傷に対する請求が非常に少ないので今年はやはり暖冬ですよ」とお聞きした。年々進行する温暖化の影響で、地域の名産品と言われていたものが従来とは違う地域で作付けされ収穫されるようになり、農水産品の生産者とお付き合いさせていただいている当社のビジネスにも影響を与えている。当社は気候変動に影響を及ぼす温室効果ガス(GHG)を、事業を通して多く排出している企業なので、この問題の対策に取り組むことが求められるし、お客さまは今後、取り組みを行っている企業の商品やサービスを選ぶようになっていくものと思われる。外資系企業では、取引企業の選考時に、環境対策への取り組み状況やGHG排出量データの提供を求められることが既に当たり前になってきている。

 

当社は、2022年度において「宅急便」「宅急便コンパクト」「EAZY」のカーボンニュートラリティ※1を実現し、2050年度まで毎年実現しつづけることを今年1月末に宣言した。これだけでは何のことか分かりにくいと思われるので説明すると、①当社のGHG排出量を国際規格に基づいて算出することができるようになった、②その国際規格に基づいて2022年度分の当社のGHG排出量を算出した、③2022年度GHG排出量に相当するカーボンクレジット※2を使用することによるカーボンオフセットを実施、という流れである。ここで言うカーボンオフセットとは、当社の努力では削減しきれなかったGHG排出量を他所での削減活動によって埋め合わせることを指している。当社は今後もEVや太陽光発電設備の導入などを計画的に進めることで、事業活動に伴う自社のGHG排出量の削減を実現し、宅配便3商品のカーボンニュートラリティの実現を2050年度まで約束したということである。 この発表を受けて、特に法人のお客さま、中でも外資系企業のお客さまから反響をいただいており、カーボンニュートラリティ宣言は、当社サービスの新たな優位性として、新しいお取引成約や既存お取引拡大に向けての大きな武器になり得るものと考えている。個人のお客さまや営業所が担当する法人のお客さまに対しても、「宅急便」の利用促進に向けてのアピール材料として使ってほしい。そのためにはまず、当社が宣言したカーボンニュートラリティとは何か、および当社のGHG排出量削減に向けた取り組み内容を理解することが必要である。まずは役職者の皆さんに学習していただき、社員の皆さんへ分かりやすく説明いただくことを期待している。

 

都内でも当社のウォークスルー EVを見かけることが多くなってきた。ようやく復活できたウォークスルー車は特に住宅地での集配や乗り降りがしやすく、安全性に優れているし、燃費に換算すると非常に効率の良い車両に仕上がっている。環境への貢献を、身近に感じながら実践していきたいと思う。

 

※1 カーボンニュートラリティ
特定の期間においてGHG排出量が削減されたのち、GHG排出量がゼロ以上の場合はカーボンオフセットにより埋め合わせされている状態
※2 カーボンクレジット
GHG排出削減またはGHG除去による排出量相当分を取引できるようにした証書

 

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※PDFデータは社内用のパソコンからのみ開けます。

 

長野ヤマト会50周年式典にて
長野ヤマト会とは、宅急便を利用してリンゴの産直事業を営む長野県の農家の会

 

 

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社長メッセージ「創意工夫」では、毎月、長尾社長から社員の皆さまへのメッセージをお伝えします。

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