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【社長メッセージ】物流の力

2024.02.27

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令和6年能登半島地震の発生から2カ月が経過した。被災地は今もなお復旧の途上であり、復興への歩み出しを阻む多くの課題が山積している。国や地方自治体が取り組むべき課題は多いが、官と連携して民間企業が貢献できることはあり、地域に根差した商売を行っている当社はその自覚を持つべきである。

地震により当社グループの社員の皆さんも多くの方々が被災し、能登半島に所在する営業所も被災した。輪島営業所は使用不能のため、市が所有する近隣の土地をお借りしてプレハブの仮店舗を設置、石川珠洲営業所もプレハブの仮店舗を設置、能登営業所は一部傷んではいるが既存の施設を継続使用している。和倉温泉を抱える七尾営業所も施設が一部損壊し、不自由な中で営業を行っている。発災直後は集配を含め全てのサービスを停止し、被害状況の把握と社員の皆さんへの支援に注力した。同時に限定的であっても段階的に再開すべきサービスは何かを検討し、早いタイミングで営業所受け取りのサービスを始めることができた。サービス開始後、各営業所はお客さまにご来店いただけるようになり、ご親族から送られた荷物を受け取ったり、地域で商売をされているお客さまが必要な部材を取り寄せたりといったニーズに応えることができ始めた。現地の社員の皆さんは、それぞれが得た情報を共有し、避難所により近い場所で荷物を受け取れるようにしてほしいというご要望に対応するなど、できることを速やかに準備して始めようと前向きに取り組んでくれている。心より感謝を申し上げたい。地域のお客さまとつながっているからこそ得られる真のニーズを知ることと、それを実行できるようにする仕組みを連携させることが大切である。現場がやりたいことを本社が支援する形を加速させてほしい。一部地域では集配サービスも段階的に再開し始めており、本業を通した復興支援に継続的に取り組みたい。

今回の震災における公的支援物資のロジスティクスにも、当社は早い段階から関わっている。石川県からの要請を受け、被災地への支援物資の一時保管場所として指定された金沢市の公共施設(石川県産業展示館)の運営に、全国のロジセンターなどから社員が参加している。彼らは、施設内のレイアウトや車両動線の確保などの標準を設計し、施設運営の整流化を行った。そして、国から派遣された官僚や自衛隊の方々と連携して設計に基づくオペレーションを実施し、円滑な物資の保管や在庫数量の把握、避難所からの受発注管理と供給を行っている。支援物資輸送の上流領域として最も大切な部分を担い、安定した物資供給を実現できていることは非常に大きな貢献である。きちんと届いて当たり前とされ、賞賛されることは少ないが、彼らは今回の震災対応におけるMVPであると思っている。

物流の力は非常に大きい。お客さまの顔が見える領域で提供するサービスも、その上流でお客さまと直接接することがない領域も、それぞれが結びついて価値になる。そんな仕事に携わっていることに誇りを持って取り組みたい。

 

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能登半島地震で被災した金沢主管支店管下の営業所を訪問(2024年1月)

能登営業所

輪島営業所

石川珠洲営業所

七尾営業所

石川県産業展示館で支援物資のロジスティクスを担当する皆さんと

 

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社長メッセージ「創意工夫」では、毎月、長尾社長から社員の皆さまへのメッセージをお伝えします。

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