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【社長メッセージ】「対話」するチカラ

2023.08.29

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「空気を読む」という言葉がある。よく考えてみると意味不明な言葉であるが、我が国においてはよく使われるし、それに長けた人が得をするというもっと意味不明な話もある。当社の会議でも「空気を読んで」いるからか発言しない方が存在するが、その会議の目的が「課題解決の策として上程した議案の審議」である限り、発言をしないということはその場に参加している意味が無いように思う。これは我が国が、分かり合おう、察し合おうという世界でも有数のハイコンテクスト文化であることにも起因しているだろう。しかし、コロナ禍でオンラインでのコミュニケーションが進んだことなどをふまえると、「話す」ことで伝え、理解してもらう力を強める必要があるように思う。

最近読んだ本に、日本人には「対話」のスキルが必要だと説いたものがあり、非常に共感した。「話す」という行為には「会話」もあれば「対話」や「対論」もあるが、それぞれ似て非なるものである。「会話」は親しい人同士や暗黙の了解があるメンバー間でのおしゃべりを指し、「対論」は異なる意見を戦わせて、負けた方が勝った方に従うことを指す。では「対話」は何を指すか。異なる価値観を持った人とのすり合わせや、価値観が同じでも何か対立する事項がある場合に、歩み寄って共通の結論を出そうと話し合うことが「対話」にあたり、日本人はそのスキルを身につけるべきである。今後日本人以外の方々とともに暮らす、仕事をする機会が増えることを考えると、その重要性は増していくだろう。

当社の現場はそもそもダイバーシティに富んだ環境だと思う。さまざまな仕事を経験されてから当社に来られた方々が多数派であり、年齢層も幅広い。担当する職務もさまざまであるし、当社の業務に参画していただく時間の長さもさまざまである。本社組織にも近年はさまざまなキャリアを持った方々が在籍されており、以前より多様化している。それを前提に商売を行うためには、まさに「対話」できる力が必要になる。

とは言え、一朝一夕にこのスキルは身につかない。もちろん基礎的な学びによって知識を得ることも必要であるが、いかに話す「場」をつくり、話す頻度を上げるか。日々の挨拶を交わすことや「会話」をすることにも意味がある。その中で相手に関心を持つ、観察する、変化に気付くことを通して、「対話」する下地を整えることができるだろう。その上でマネージャーが、話す「場」をいかにつくるか。ベース店での作業リーダーとの日々のミーティングも「場」、宅急便営業所のグループ長対象の会議も「場」。一方通行の伝達の時間も必要だが、それはメールでも代用できる。せっかく対面の場を設定するのであれば、それを「対話」の時間にする工夫が必要だろう。それにはかなりの気力と体力を要するが、マネージャーの仕事の大切な核であるように思う。

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サツドラホールディングスさまとのパートナーシップ協定締結式にて(2023年7月 札幌市内)

 

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社長メッセージ「創意工夫」では、毎月、長尾社長から社員の皆さまへのメッセージをお伝えします。

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