【社長メッセージ】効率と手抜き
2023.07.27
人と人が直接対面し、話したり触れ合ったりという、人間社会において最も大切なことを大きく制限された期間も3年が経過し、世の中にはようやく日常が戻りつつある。訪日される外国人の方々が増えたこともあるが、屋外ではマスクを外している人も増え、行き交う方々のさまざまな表情を見ることができるようになってきた。
この不安で不自由な期間の中で、それを補うために現れ定着したものも多くある。在宅勤務やオンラインでの会議や商談は一般化し、置き配の利用も増えた。その裏側にはそれを支えるシステムやテクノロジーが存在しているが、それ自体が価値なのではなく、それによって得られる体験に価値があるから普及したのであろう。以前から普及しているeメールやLINEなどでのコミュニケーションも同様である。当社では、本社の会議の半数以上を現在でもオンラインで開催している。その理由は、出席者が会議出席のために集まることに費やす時間と労力と、会議で決めるべき事項や周知すべき内容を比較して合理的な選択をしているからであるが、それは逆に言えば時間と労力をかけてもリアルに会して実行すべきことがある、ということである。
5月末に永年無事故運転者表彰式典を開催したが、受賞者の皆さんを東京にお招きしてお祝いし、懇親会も併せて実施できたのは4年ぶりである。コロナ禍の期間に受賞された方々には十分なことができず申し訳ない思いを持っているが、今回受賞された方々と直接お会いできたことは非常にうれしい体験だった。受賞者を称えることはもちろんだが、支えていただいたご家族の方々とも久しぶりにお会いすることができ、一緒に記念撮影をするなどの機会の中で、ヤマトの良さを感じることができた。このような場はまさにリアルに実施すべきであることは言うまでもない。
より身近なシーンでも、効率を優先すべきことと質を高めるべきことを見極めるべきだと思う。その組織のメンバー全員にひとまず情報共有することが目的であればメールでの伝達は有効だが、理解の促進が目的ならば、メンバーに集まってもらった場の対話の中で説明し、意見交換し、正しい理解に導くべきであろう。対面と言っても、100人に対して話す場で得られる体験と、10人に対して話す場、1対1で話す場、それぞれで得られるものは違う。効率を優先するが故に、本来得るべきものを失っていないか。そうであればそれは「効率」ではなく、「手抜き」になってしまうのではないか。
マネージャーの仕事は簡単ではない。多様な背景を持つ多数の社員が働く当社では、なおさら難しい。日々のリアルの接点、短い時間でも対話する機会、定期的につくる対話の機会など、効率的な手段を取り入れながらも、その機会を創り出すことがマネージャーにとって大切な仕事であるように思う。そしてその対話の機会を通して学ぶこと、気付くこと、得ることは多くある。
※PDFデータは社内用のパソコンからのみ開けます。

北関東地域の永年無事故運転者表彰式典 懇親会にて、受賞社員とご家族と記念撮影
(2023年5月)
社長メッセージ「創意工夫」では、毎月、長尾社長から社員の皆さまへのメッセージをお伝えします。
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