【社長メッセージ】長寿化社会
2023.06.28
先般ある大学が主催する会議に招かれ参加してきた。その大学の教授の方々と企業経営者が指定されたテーマに沿って議論する会議であり、私が参加した回のテーマは「高齢化社会でのビジネス創造」という非常に興味深いテーマであった。
我が国は人口に占める65歳以上の高齢者の割合が29%を超えており、分類で言えば超高齢社会である。「高齢化」を課題として捉えるとずいぶん気の重い話になりそうだが、「長寿化」と言葉を置き換えてみればどうだろう。とても喜ばしい話に印象は大きく変わるし、それだけの長寿化を実現できている我が国だからこそ生み出せるビジネスの機会も多くあるように思う。高齢者の方々を消費者として捉えるとどんな機会があるだろう、また高齢者を生産者(就労者)として捉えるとどうか、という二つの視点で、出席したメンバーの皆さんとおよそ半日の間議論したが、非常に有意義な時間であった。
まず高齢者を消費者として捉える視点の中で、食品メーカーの社長からは、「高齢者向け商品」として売り出しても全く受け入れられないが、「健康増進」や「食べきれる量への配慮」など、違うアプローチでマーケティングすると受け入れられるという事例が共有された。高齢者が高齢者としか一緒にいないことは幸せなのかという問題提起を受け、若者やシングルマザーと高齢者が共同生活するシェアハウスが存在しているという事例など、高齢者をお客さまとして捉え、その立場に立って思考することで見えてくるものが多いように思え、大きな気付きとなった。
高齢者を生産者として捉える視点の議論の中でもさまざまな情報提供があり、高齢化社会とは「男性」の「会社員」の「生産年齢」を基準とした、限定されたモノの見方であるという前提を持つべきだという示唆があった。
当社のお客さまは非常に幅広く、高齢者の方々にも大いにご利用いただいているが、高齢者をお客さまとして捉え、そのニーズに応えることができているだろうか。宅急便を始めとしたサービスを使ってくださいというアプローチだけでなく、高齢者が価値を感じるサービスや商品を開発、提供している企業と連携し、その体験の中に物流サービスを組み込むことができるのではないか。昨年11月号のこの場で言及したインバウンド需要に対してのサービス提供と同じく、対象者に直接アプローチするのではなく(BtoC)、その領域でビジネスを行う企業が連携して(BtoB)アプローチすべきなのだろう。
今後ますます平均寿命も健康寿命も延びていく。その中で高齢者の方々に提供すべきサービスは何か。お客さまの立場に立って考え、仮説を出せるようにしたい。
※PDFデータは社内用のパソコンからのみ開けます。
拡大営業会議にて(2023年5月)
社長メッセージ「創意工夫」では、毎月、長尾社長から社員の皆さまへのメッセージをお伝えします。
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