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【社長メッセージ】イノベーション

2022.08.29

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イノベーション、という言葉が流行り言葉のように使われるようになっている。当社内にもイノベーション推進担当という役員がいるので、ご多分にもれずということなのであるが、イノベーションは決して雲の上の話ではないし、逆に本当の意味でイノベーティブな会社になるということは簡単ではないように思う。

当社は創業期、国内にまだ204台しかなかったトラックを4台購入し、貨物自動車による運送事業を始めた。今の時代に置き換えればドローンによる運送会社を立ち上げるような話であろうと思われ、かなりイノベーティブな挑戦であったと言えるし、創業から10年後には貸切の商売に加え、複数のお客さまの荷物を積み合わせて運ぶ商売をスタートさせたことからも、それを裏付けることができるだろう。

イノベーションの種は現場にある。その種に気付き、その種を芽吹かせるために起点となって動き始めた人はイノベーターであるが、彼が孤立無援になることなく、組織として新しい価値創出に向かう仕組みづくりを行うことが、イノベーティブな会社になるための入り口であるように思う。かつて雪で足元の悪い中スキー板を抱えて歩いているスキー客を見て、あれを運ぶことができればお客さまに喜んでもらえると考えた社員がいたが、それだけではスキー宅急便は生まれていないということであろう。

今号で特集している業績表彰の内容も、当社にとってイノベーションの種から芽吹き始めた状態の案件が多いように思う。課題と向き合い、その解決のための種を見つけ、起点となって行動を始めた人とそのチームを褒めることは良いことである。しかしながら、この段階で終わってしまうと花が咲くところまでは到達しないように思う。現場の取り組みを本社が審査し、良い案件を褒める。考えてみれば随分上から目線の話である。大切なことはこの先のアクションである。

現場が種を見つけ、芽が出始め、これを育てればこんな花が咲くのでは、こんな花を咲かせるべきという案件を抽出する。本社も含め花を咲かせるための検討チームを作り、プランができたら実行体制を作って行動に移す。そしてその取り組み結果に対して評価を行う。会社の成長力を高めていくことを目的とすれば、これが本来の業績表彰のあり方ではないだろうか。従来の仕組みを見直す時期にあるように感じている。

 

 

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社長メッセージ「創意工夫」では、毎月、長尾社長から社員の皆さまへのメッセージをお伝えします。

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