すべて

【社長メッセージ】有言実行

2021.11.26

  • 938
  • いいね(14

 

長い緊急事態宣言が9月末をもって解除となり、すこしずつ経済活動が動き始めた。半年ぶりに全地域に出向き、主管支店長をはじめとした経営役職者の皆さんと対面で意見交換することができた。

 

新しい経営体制でのヤマト運輸がスタートして半年、それぞれの地域経営の現在地を確認し、良いことは継続し修正すべきことは素早く修正すべきである。よって地域の経営役職者が対面して話せる場を設け、事業本部の縦のラインに縛られることのない議論を行い、とるべきアクションを導き出した。

 

まずお客さまは誰か、という入り口の定義がなされているか。それぞれのお客さまの主担当は誰か、その上位者は誰で何をなすべきか。それぞれのお客さまに何を提供すべきか、その提供に必要な経営資源を配置できているか、機能しているか。提供したサービスに対し、お客さまの評価は把握できているか。サービス提供に無理はないか、無駄やムラはないか。適正な利幅を確保できているか。

 

定性的な分析だけではなく、定量的に分析することが求められることは言うまでもない。そしてこれらは地域に丸投げする話ではなく、本社と地域が常に一体となって進めるべきことなのである。現場は日々お客さまと向き合っている。その質を高めるためのモニタリングと改善のアクションを本社が日々行うべきであり、それが可能となる仕組みづくりを急がなければいけない。

 

数年前、役員や関係会社社長などを対象とした研修を行った際、ある企業の社長のお話をお聞きした。その企業は製造業なのだが、商品による差別化が年々難しくなり価格競争に陥ったため、単純に商品を売り込む商売から、お客さまの経営課題を知り、その課題への解決策を提案して実行する商売に転換されようとしている。もちろん今でも商品を買っていただくことは大切なのだが、商売の軸を増やしたということである。その方が講演の中で何度も話されたことは、お客さまを知る、お客さまを知りぬくこと。そしてお客さまに対しては有言実行であれ、ということである。

 

宅急便というサービスは有言実行のサービスである。当時の郵便小包や鉄道小荷物は、いつ着くかわかりません、荷造りはちゃんとやってくれ、そして料金もわかりにくいサービスだった。宅急便は、それを明快なパッケージにして使いやすくしたサービスであり、まさに「有言」である。その有言、つまりお客さまとの約束を守るために「実行」する、実行できる仕組みづくりに全社で取り組む、それが当社の思想であったように思う。今後は宅急便だけでなく商売の軸を増やしていくが、あらためてこの思想を体現できるヤマトを創り出していきたい。それがOneヤマトの仕組みに変えた起点である。

 

 

社長メッセージ「創意工夫」では、毎月、長尾社長から社員の皆さまへのメッセージをお伝えします。
 

 

14