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兵庫ベースの運行乗務員が考案したボックス落下事故防止策とは?

2023.04.26

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現場で役立つさまざまなノウハウや好事例を紹介する「シゴトのヒント」。

今回は兵庫ベースで考案された、ボックス落下事故防止の取り組みをご紹介します。

 

\この方にお話を聞きました!/

兵庫主管支店 兵庫ベース
ベース長 高島稔文さん

フォークリフト用とゲート車用の注意喚起ポスターを作成

ポスターを作成された経緯を教えてください

 

高島ベース長

ボックスがフォークリフト(以下リフト)やトラックから落下する事故が多く発生しており、2023年9月に兵庫主管支店の安全担当から、フォークリフトやゲート車のボックス落下事故防止のために、注意喚起を促すポスターを作成したいという話が持ち上がりました。
そこで、安全マネージャーをはじめとした主管の安全担当とベース管理者、運行乗務員が一体となって検討を開始。乗務員の目に飛び込む、目立つポスターにしたいとこだわって作りました。

何度も打合せを重ねて11月中旬ようやくポスターが完成!乗務員が作業をする時に「目に留まる場所」を意識し、運行車の荷台側面やリフトの座席横にポスターを掲示して注意喚起を図りました。

 

運行車の荷台とフォークリフトに誘導ラインを設置

ポスター掲示だけでなく、誘導ラインを引くことになったきっかけを教えてください。

 

高島ベース長

早速、運行車の荷台の後部側面にポスターを掲示する作業をしていたときに、運行乗務員から「誘導ラインを引いてみてはどうか」と意見が出たのがきっかけでした。

 

 

発案者コメント

兵庫ベース 運行乗務員
金澤 浩司さん(左)
森岡 和孝さん(右)


ボックスの積み下ろし作業でボックス落下事故が多く発生している状況があり、なんとかしたいと思っていました。長年やってきた経験から、「ツメが先、ボックスが後」の作業手順を実行するために、荷台の床に誘導ラインがあればボックスを押す目印になるのではと考えました

 

誘導ラインの仕様はどのように決めたのでしょうか?

 

高島ベース長

ベースの日勤の運行乗務員の意見を参考にラインの色や長さを決め、実車を使い検証しました。

ボックス誘導ラインの長さは荷台後部からボックス3本以上の長さが必要だと、すぐに意見がまとまりましたが、ボックス待機ラインの必要性については意見が分かれました。

実際の作業で検証してみると、リフトのツメを荷台に差すタイミングより乗務員がボックスを押し出すタイミングが早くなることが多く、待機するのに安全な位置を示すラインも必要だという結論に至りました

【テープはたのめーるで発注できます】


【ボックスの導線と待機ラインの位置】

※リフトマン:フォークリフト運転者のこと

 


【ゲート車】
協力会社の方にも理解していただけるように作業手順を作成しました。
そのなかで、特にボックス落下防止ベルトの装着について理解を深めてもらうように工夫しました。

 

 

今回の取り組みは協力会社への説明や賛同も必要だと思いますが、どのような反応でしたか?

 

高島ベース長

2022年11月17日に実施した兵庫ベースの協力会社安全会議で、注意喚起ポスターと誘導ラインについて説明をし、全協力会社から賛同をいただきました。
誘導ライン設置後、協力会社の乗務員から、「誘導ラインがあるからボックスが押せる。なければ押せない」といった声や、営業所のリフトマンから「目印があるからツメが差しやすい」という声も上がり、取り組みに対して評価いただいていると感じています。

最後に一言お願いします!

 

高島ベース長

安全ではない作業を見つけた時には見過ごさず、その場で正しい作業手順を理解してもらうためにきちんと説明をすれば、そこでコミュニケーションが生まれます。

コミュニケーションを重ねることで、作業だけでなく車両などへの安全意識にも広がっていくと感じました。今後も現場の社員の意見を取り入れながら、ベース全体で安全な職場作りに取り組んでいきます!

 

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