【マネジメントの失敗に学ぶ】“大パンク”で学んだ、 数値に基づく 判断の重要性

「マネジメントの失敗に学ぶ」ではヤマトで活躍されているリーダーにかつての失敗から学んだマネジメントの極意を語っていただきます。

今回お話を聞いたのは竹原夏愛さん。

竹原さんはヤマトの中でもお客さまから全国屈指の評価をいただいている東京港主管支店で主管支店長としてご活躍されています。

そんな竹原さんにお話を聞いていくと「大パンク」という衝撃のワードが・・・。

大パンクの経験から竹原さんが学んだリーダーとしての役割とは？

東京港主管支店長
竹原夏愛さん

ヤマト運輸でアルバイトをした際に「ありがとう」と言われる仕事に魅力を感じたことから、2003年SDとしてヤマト運輸入社。2007年に西早稲田宅急便センター長、2010年に銀座支店副支店長に就任。中央区ブロック長、東東京主管支店センター経営推進課長、東京支社副支社長を経て、2018年より現職。

独りで突き進んでも、周りはついてこない

入社4年目でセンター長になったころは 「女性リーダーだからと侮られてはいけない」という気負いで空回りしていましたが、支店長になってから間違いに気付き、時間をとって社員一人ひとりと話をすることに力をいれるようになりました。

すぐには職場の雰囲気は改善しませんでしたが、ある地域イベントに参加した際、参加してくれた社員一人ひとりにお礼の手紙を書いて渡したところ、後日、参加メンバーの一人が「結構楽しかった」と言ってくれて、そこからお互いに言いたいことを言いやすい関係になりました。

職場の雰囲気が変わっていく手ごたえを感じた瞬間でした。

自分のやり方を大きく見直すことになった“大パンク”

しかし、ここで大事件が起こります。

近くに大きな複合商業施設がオープンしたとき、大量の荷物を集配しきれず、事態が収束するまで1 ヵ月もかかってしまう「大パンク」を起こしてしまったのです。

ただ、当時の支店のメンバーは私を責めず、必死に集配してくれました。

その姿に申し訳なく、「どうしてこんな現状をつくってしまったんだろう」と必死に考えました。

それまで私は、自分の経験からの肌感覚を根拠に荷量を予想し、人材を配置してきました。

また、「最悪、自分がやればいい」という考えもありました。

しかし、それが失敗につながっていたのです。

「肌感覚」で判断するのではなく、きちんと調査し、数字に基づいた仮説を立てることが大切

「このまま無知でいてはいけない」と、リーダーとしての勉強を始めました。

自分で作業をするよりも、「社員をマネジメントする立場としてもっとやるべき仕事がある」と気付いたのです。

「そもそも、なぜ問題が起こっているのか」を掴み、本質的な解決策を考えるためには、数字に基づいた根拠が必要だと痛感し、数字の見方を勉強しました。

また、経営の知識も学び、会社の社訓・理念に基づいているか、お客さまの立場や会社全体の視点から見るとどうなるかを考えるようになりました。

「事実」に基づいた評価が一人ひとりの
成長、そして組織の成長にもつながる

普段の部下とのコミュニケーションも見直しました。

部下の不満を聞いて改善することだけでは、部下の成長にはつながりません。

普段から部下を信頼・尊重し、具体的な目標を立てて業務を任せ、その結果に基づいて評価をすることで、誰がどんなことを、どれくらいできるのか把握することもできるし、一人ひとりが成長することにつながることを実感しました。

主管支店長を目指したのも支店長時代の部下の言葉がきっかけです。

「頑張って一緒に成長しよう」と話したときに、「支店長は上の役職を目指さないんですか」と言われ、ハッとしました。

組織が成長するためには、そこに所属する一人ひとりが成長していくことが必要であり、そのためには、自分も成長、チャレンジしていかないといけない。

働く場所や立場が変わっても、これまでの仲間たちが見守ってくれていると思うと、背筋が伸
びます。

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１か月にわたる「大パンク」を引き起こした竹原さんが失敗の中から導き出した、数値に基づくマネジメント