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今から備えよう 仕事と介護の両立のために

2022.09.28

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自分の家族には、いつでも元気でいてほしいですが、突然の病気などで身体が不自由になり、介護が必要になることは、珍しいことではありません。

いざ介護を始める時に慌てないために、事前に準備できることや、実際に使える介護制度などについて、あらかじめ知っておくことが大切です

 

そこで今回は、会社の制度を利用し、実際に介護をされている社員の方にお話を聞きました

どんな制度を利用したのか、どのように仕事と両立をさせているのかなど、実際の例を参考にしながら、皆さんも仕事と介護の両立について考えてみませんか

 

【この人にお話しを聞きました】

Aさん

50代SD、マネージ社員

介護短時間勤務を利用しながら同居している母親の介護を続けています。

介護が始まった時の状況

 

どのように介護が始まったのですか?

Aさん

両親とは離れて暮らしていて、父が母の介護をしていました。しかし、父が体調を崩して亡くなってしまい、私のほうで母の介護をすることに。介護施設への入所も検討しましたが、妻や 家族と相談した結果、私たちが同居して介護することにしました。

介護を始めるとき、職場にはどのように伝えましたか?

Aさん

当時の所長に、「介護をすることになり仕事との両立は難しい」と相談したところ、親身になって考えてくださり、後日、介護短時間勤務について教えていただきました。短時間勤務については、同僚も快く理解してくれ、コース変更や交番調整などで協力をしてもらいました。支店長・同僚にはとても感謝しています。

介護が始まる前の準備について

利用した制度について教えてください

Aさん

会社の介護短時間勤務制度を利用し、1日8時間勤務をしています。他にも、公的な制度で、週4日のデイサービスを利用しています。現在は母も元気になり、私たちも自由な時間が増えました。何より気持ちに余裕ができたので、会社の制度を使うことができて感謝しています。

介護が始まる前に何か準備をしていましたか?

Aさん

安易に考え、何の準備もなく同居して介護を始めたので、最初からつまずきの連続でした。介護作業には慣れても、精神的な疲れが出て心が折れそうになることもありましたね。

介護についてどのように情報を得ましたか?

Aさん

最初は自分なりに対応していましたが、何が正しいか、間違っているかが判断できず、自治体のケアマネージャーに相談。そこでアドバイスをいただき、介護のやり方を知ることができました。

Aさんが利用した「介護短時間勤務」とは

介護と仕事を両立するために社員の味方になる制度

 

【短時間勤務の制度】

最長で4年間、1日の労働時間は4・5・6・7・8時間から、週の労働日数は3・4・5日から選んで勤務することができます。

他にもさまざまな制度が利用できます

介護をしてみて気づいたこと

介護を行う中で何か気づいたことはありますか?

Aさん

実家は25年前に建てたものですが、当時は介護のことなど全く考えていなかったので、玄関には段差があり、壁に手すりがありませんでした。特に深い浴槽が、介護には不向き。家を建てる時は、介護を想定しておくことも必要だと感じました

【他にもこんな利用者がいます】

Bさん


50代、サービスセンター勤務、マネージ社員


・介護対象者 子供


・利用した制度 介護短時間勤務


・制度利用期間 2017年~現在も延長申し出により短時間勤務を継続


「子供が乳幼児の頃に、介護が必要な病気があることがわかりました。復職時は育児短時間勤務制度を利用しながら子の介護をしていましたが、育児短時間終了後から介護短時間勤務制度を利用しています。当時の上司が介護制度の規程集を一緒に調べ、申請をサポートしてくれて、とても心強かったです。現在は認知症の母の介護もしています。介護は一人で抱え込まず、周りに協力を求めることが大切だと思います。」


Cさん

 

60代、荷受け作業スタッフ、パート社員

 

・介護対象者 夫

 

・利用した制度 介護休業制度

 

・制度利用期間 6カ月

 

「制度については、労働組合が配布している『キックオフマイプラン』で調べました。当時の所長をはじめ上司にも相談したところ、丁寧に対応していただきました。会社の制度がなければ、おそらく退職の道を選択していたと思うので、感謝しています。」

Cさんが利用した「介護休業制度」とは

配偶者、本人の父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹および孫の介護が必要になった場合、要介護者一人につき、要介護状態に至るたびに一回、通算して365日を限度に休業することができます。

※介護休業中の給与は無給です。

 雇用保険に加入していて、一定の条件を満たしていれば、介護休業給付金が支給されます。(上限93日)

事前に確認しておくべきポイント!

介護と仕事の両立のためには、日ごろから家族や上司、同僚との関係性がとても大切。また、いざ介護が始まれば、ライフプラン全体を見直す必要があります

 

そんな介護の「もしも」のために、今から確認しておくべきポイントをおさえておきましょう!

 

Point1.働き方を見直す

その時は突然やってきます。

日頃から資料の整理をして、バックアップしてもらいやすいようにしておきましょう

また、仕事と介護を両立する上では、時間のやりくりが重要です。集中する時間を決めたり、業務の方法を見直したり、業務効率を上げる工夫をしましょう。

 

Point 2.介護が始まる前に情報を収集し、家族で介護について話し合う
介護が必要になりそうな人がいる時は、その人が住んでいる場所で利用できる介護サービスを自治体のホームページなどで事前に調べ、何かあった時に誰が何を担当するのかを話し合っておきましょう


Point 3.介護が始まる前に相談する
介護の必要性が高まった時は、一人で考えて抱え込まず、地域包括支援センター(※)や会社の人事担当者、周囲の人に相談しましょう。必要な解決策が得られるはずです。

各市町村が設置主体となっている介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える“総合相談窓口”のこと


Point 4.介護休業期間に直接介護をしない
介護休業は働きながら介護をするための準備期間と考えましょう。食事、排せつ、入浴など、直接介護に専念しないようにしましょう。


Point 5.介護を一人で抱え込まない
介護に直面しても、絶対に一人で抱え込まないでください。家族・親族、ケアマネジャー(※)や地域の人、さまざまなサービスやモノを活用して、一人ひとりの負担が軽くなるようにすることが大切です。

※介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う、介護保険に関するスペシャリスト

 

Point 6.自分のペースに合った介護をする

例えば「親に恩返しをしなきゃ」などと、気負って頑張りすぎてしまうと、介護を続けられなくなってしまうこともあります。

「いつまでも続けられる介護か?」 をポイントに、ケアマネジャーと一緒にケアプランをつくりましょう

 

Point 7.仕事も介護も、自分にしかできないことを

仕事も介護も、やらなければならないことには際限がありません。自分にしかできないことを明確にし、その責任を果たすことを意識しましょう。また、介護は一人でなく、家族、職場、地域の助け合いの上に成り立ちます。上司や同僚にサポートしてもらった時は感謝の気持ちを伝え、自分がほかの人のサポートができる時は、進んでサポートしましょう

 

【人事部からのメッセージ】いざという時のために、今備えよう

介護と一口に言っても、対応しなければならないことは人それぞれ。いざ介護に直面した際にも安心して仕事を続けられるように、社員の皆さんをサポートします。外部の相談窓口や、主管支店人事・総務担当へご相談ください。

お気軽にお電話ください! 相談先はこちら

◎介護全般について
0120-838-281
外部委託機関:wiwiw

介護保険の仕組みや活用方法、施設の基本情報や介護グッズの購入先(地域別)など、介護者の健康や悩みを相談できます。(電話相談無料、24時間年中無休、弁護士や税理士にも相談できる※予約制)

仕事と介護の両立支援ハンドブックを活用しよう

①介護が発生する前の「事前準備シート」

いざという時のため、事前に介護について家族と話し合って準備をする時に使えるツールです。

ハンドブックp19

▲クリックして拡大できます

 

【こんな時に使える!】
✓もうすぐ介護が始まりそうな時
✓お盆や年末年始に帰省する時
✓自分自身が40歳になり、介護保険料の支払いを始める時
✓親が65歳になり、介護保険所が親の手元に届いた時

 

②介護が発生したら「コミュニケーションシート」

介護が始まったら、自分の状況を正確に把握し、人事担当など周りの人に伝える時に活用してください。

ハンドブックp20

▲クリックして拡大できます

【こんな時に使える!】

✓上司に今後の業務量や仕事内容を相談する時

✓人事担当に利用できる介護両立制度や支援などのアドバイスをうける時

 

③ケアマネージャーに相談する時は「情報提供シート」

介護は在宅介護から始まる割合が高く、ケアマネージャーとのコミュニケーションは欠かすことができません。自分自身の働き方をケアプラン(介護の計画書)に反映するために、しっかりと情報開示し、自分の状況を伝えましょう

ハンドブックp21

▲クリックして拡大できます

【こんな時に使う!】

✓在宅介護が始まり、ケアマネージヤーとの初回打ち合わせの時に

✓自分自身の働き方が変わったことをケアマネージャーに伝える時に

 

 

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