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営業所の新しい仲間の活躍で、今日も輝くヤマトのトラック!【所沢主管支店】

2023.04.19

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所沢主管支店では、障がいのある方を社員として雇用するだけでなく、管下の地域にある就労移行支援事業所(※)と連携し、その利用者さんに業務をお願いしています

 

今回は、営業所の車両の清掃をお願いすることで、障がいのある方の活躍の場を広げた事例をご紹介します。

 

就労移行支援事業所・・・障がいのある方(利用者)の自立と活躍をサポートする施設。

 利用者さんに職業訓練を提供したり、就職活動をサポートしたり、利用者さんの就職後には、職場への定着に向けて利用者さん・企業へのフォローも行う。

 

初めはなかなか取り組めず…「これではいけない!」と奮起

所沢主管支店は、2018年4月1日にできた主管支店です。

開設当初の約2年間は他の業務が忙しく、障がいのある方の雇用に取り組めずにいました。

 

2020年4月、本社から配信されてきたデータを見ると、法律で定められた雇用率(全社で2.2%。現在は2.3%に引き上げ)に対して、所沢主管支店の障がい者雇用率は0.26%。以前に所属していた主管支店で障がいのある方の雇用に力を入れていたメンバーが、「これではいけない!」と奮起しました。人事・総務担当の堀SVと米倉さんが中心となり、ハローワークなどを通して募集を開始。ご応募いただいた方に見学に来ていただき、現場実習を行いました。

 

「見学→実習」を繰り返し、数十人もの方にご応募いただきました。地道に採用活動を続けることで、徐々に雇用率が上がっていきました

(所沢主管支店の障がい者雇用率 2021年3月:1.41%、 2023年3月:2.91%)

 

中でも、営業所での雇用率は3.0%と、全国トップクラスに!

 

連携している就労移行支援事業所(A支援センターさま)にヤマト運輸の社員向けの「障がい者雇用セミナー」を実施いただくなどし、障がい者雇用への社員の理解は着実に深まっています。

 

就労移行支援事業所の利用者に「集配車両の清掃」を委託

就労移行支援事業所と連携

所沢主管支店管下の地域にある就労移行支援事業所 A支援センターさまでは、利用者の皆さんが就労に向けてさまざまな業務の訓練をしています。

 

就労支援のカリキュラムは、支援センター内での封入作業、梱包作業、パソコン作業がメインですが、この一部として、所沢主管支店が営業所の業務を委託。

 

2022年4月からは、営業所にて、利用者さんがSDの皆さんの相棒「集配車両」を清掃しています

 

 

車両の清掃の委託を開始したきっかけ

もともとA支援センターさまには、営業所での「DM便の仕分け業務」を委託していました。

DM便の仕分けには「丁寧さ」「スピード」「文字を読むこと」が求められます。

そのため、ハードルが高いと感じる利用者の方もいらっしゃり、その方々にはヤマト運輸の業務に携わっていただくことができませんでした。

 

「何か他にお願いできることはないだろうか。」

そんな思いで、A支援センターのご担当者さまと所沢主管支店の人事担当が検討。アイデアとして挙がったのが「車両の清掃」でした。

清掃業務であれば、障がい特性を問わずに挑戦しやすく、ヤマト運輸としても「車両の美化」・「SDの業務負担の軽減」につながり、職場環境の改善への大きなサポートになります

 

それまでは「車両清掃」=「SDの仕事」というイメージが強くありましたが、安全・コンプライアンス担当からも「ぜひ」という声が出て、スタートしました。

 

丁寧できめ細かい仕事がSDから好評!ある日の業務の様子をご紹介

13時、3名の利用者さんがスタッフの方と一緒に所沢営業所に到着しました。

早速、掃除用具を用意し、車両へ向かいます。

 

1回の清掃は1時間~1時間半程度。トラック2~3台を清掃します

車両の側面は、長いモップを使い、力強く腕をのばして磨き上げます。この日は寒波到来の予報でしたが、なんと半袖の方もいらっしゃいました。

タイヤのホイールの細かい部分まで、小さなモップや雑巾で丁寧に拭いていきます。

 

時折声を掛け合いながら作業を進める3人。

「大丈夫?」「どうしたの?」とお互いを思いやる声も聞こえました。

清掃道具を整え、作業完了です。

SDからは大好評!

 

エリアを拡大し、現在は所沢主管支店管下の7つの営業所で、車両をピカピカにしてもらっています。

現場の声 

所沢営業所長 鈴木 文廣さん

≪車両清掃を始めてからの変化≫

これまでは、忙しいSDがなんとか時間を作って車両を清掃していました。

清掃の時間は確保できても10~15分。配達終了後の夜間に作業することも多くありました。

 

清掃をお願いするようになり、SDたちは日中からきれいな車両で集配できるようになりました

私たちにとって、集配車両はお客さまに見ていただく「看板」です。大切にきれいにしてくださって、とてもありがたいです。

SDはしっかりと休憩を取得し、配達終了後には早く退勤できるようになりました

 

≪連携の中で大切にしていること≫

「構内の安全」です。安全を確保し、利用者さんたちが安心感を持ち、集中して作業ができるようにしています

特に、車両を動かす時や利用者さんの近くを車両が通る時には、必ず声を掛けるように指導しています。

利用者 Bさん

所沢営業所の車両の清掃を初めて、10か月程度になります。清掃の時に気をつけているのは、

 

・営業所の方のお仕事の妨げにならないようにすること

・置いてある宅急便を傷つけず、水をかけないようにすること

 

です。

車両の窓は、水で濡れたままにしておくと汚れやホコリがついてしまうので、すぐに丁寧にから拭きをします。

 

就労支援センターの中で行う仕事との違いは、外の方に見られていることです。

緊張感を持ち、筋を伸ばして作業をしています。これが自信につながっています

 

次の目標は、正確さやスピードが求められる「DM便の仕分け」に挑戦することです。

所沢主管支店 人事・総務担当 堀SV・米倉さん

担当者になるまでは障がいのある方と一緒に働いた経験がなく、難しく考えていました。今思うことは、障がい者雇用がもっと進んで、一緒に働く環境が「あたりまえ」になったらいいということです。

 

管下の営業所で約2年半の間、仕分け作業を担当している障がいのある社員がいます。

先日、その方は主治医から「障がいの程度が著しく軽減され、問題なく生活を送れるようになりましたね。ヤマトでの仕事をきっかけに、規則正しく、健康的な日々を送れたことがその大きな要因でしょう」と言われたそうです。

雇用率を上げることも大事ですが、障がいのある方にとって働きやすい環境を提供することが一番大事だと思います。

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