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人事、人材開発統括執行役員 石井さんに聞く!
人材マネジメント方針とこれからの働き方について

2023.05.29

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4月20日、ヤマトグループは「人材マネジメント方針」を制定しました。「人材マネジメント方針」とは何なのか、私たちの働き方にどう関わってくるのか、などの疑問に、人事、人材開発統括執行役員 石井さんにお答えいただきます。「人材マネジメント方針」制定の背景や込められた想い、皆さんへのメッセージなどをお伝えします。

 

執行役員(人事、人材開発統括)
石井 雅之さん

1988年に株式会社ブリヂストンに入社。入社後は、本社、工場、技術センター、その後アメリカ、スペイン、ベルギーの各事業法人へ出向し、いずれの職場でも人事・労務を担当。海外から帰国後は、本社でグローバル人事・人材開発、経営企画、コーポレートコミュニケーション、リスク管理、海外事業管理や中国での工場立ち上げなどを担当。2022年10月にヤマト運輸に入社。

 

「人材マネジメント方針」はなぜ作られたのか?

人材マネジメント方針

 

インタビュアー

今回なぜ「人材マネジメント方針」を作られたのですか?

 

石井さん

会社では、多様な経験を有する人が集まり、チームとして仕事をしています。ヤマトグループを取り巻く環境が変わり続ける中、社員一人ひとりが活躍し、チームがより高い成果を出していくために、会社が求める人物像ならびに人材に対する会社としての向き合い方を明確にする必要があると考えています。

会社と社員がどう関わり合っていくのか、その考え方をはっきりと示すために、「人材マネジメント方針」を制定しました。

 

インタビュアー

「人材マネジメント方針」に込められた想いなどを教えてください。

 

石井さん

170文字程度の言葉ですが、使う言葉を一つ一つ厳選し、特に「成長」というキーワードに想いを込めました。それは、ヤマトが変わらず社会に求められる企業で在り続けるためには、会社と社員が共に成長し続けなければならないからです。

社員が成長することによって会社の成長があり、会社は社員の成長を支援することを通じて成長することができます。社員の皆さんには、事業環境の変化に応じ、会社が打ち出す戦略や方針に対して、自身の成長」によってそれまで以上のパワーで業務に取り組んでいただき、仕事や商売の在り方を変え、お客さまに今まで以上の価値を提供する、といったサイクルにつなげていただきたいと考えています。一方、会社は社員の成長と働きがいにつながる取り組みを進めていきます。

 

 

 

 

具体的に人事制度はどう変わっていくのか?

人事戦略の全体像

 

インタビュアー

「人材マネジメント方針」に基づき、今後はさまざまな人事の施策を展開されるとのことですが、具体的に教えてください。

 

石井さん

これまでヤマトは「人ありき」、つまり「人」に合わせて任せる仕事を決めていたため、同じ担当であっても、人によって役割や責任が曖昧となっていました。しかし、ECの伸長など、お客さまの消費活動や私たちの取り扱う荷物が変わる中で、お客さまのご期待に応え続けていくためには、環境の変化に合わせて、社員の役割や働き方を変えていく必要があります。そのため、企業の成長に必要な役割と責任を明確にし、それを起点とした人材マネジメント体系を作り、運用していきます。

このベースになるのが「職務定義書」です。職務定義書には、各ポジションに求める具体的な仕事内容、責任範囲、知識、スキルなどを記しています。今後は、職務定義書で記していることが実践できているかを評価し、今後の成長のためのフィードバックをしっかりと行うことで、会社と社員が共に成長できるサイクルにしていきます。

 

インタビュアー

なるほど。「職務定義書」をしっかりと理解して業務に取り組む必要があると思いますが、「職務定義書」に関する今後の展開について教えてください。

 

石井さん

「人材マネジメント方針」「職務定義書」共に、今後の人材マネジメントにおいて非常に重要なものになりますので、これから6月にかけて順次説明会を行いながら、まず役職者の方に職務定義書を展開していきます。9月には、社員の皆さんがいつでも職務定義書を確認できるよう、イントラの規程集に掲載することを予定しています。

 

インタビュアー

評価やフィードバックによって、会社と社員が共に成長できるサイクルとは、具体的にどういったことでしょうか。

 

石井さん

 

人事運用の中で最も重視しているのは、人を育てて活躍させていくこと。すなわち、社員の「成長」です。そのために力をいれていかなければならないのが、評価とフィードバックだと考えています。


役職者の方には、「人を育てること」に意識して取り組んでいただきたい。フィードバックを例に挙げると、ただ指摘をするだけでは、部下には響きません。部下の行動を変えて、それを成長につなげるには、「対話」(一方的な伝達ではなく、お互いの立場と意見が異なる点を双方が確認し合いながら話すこと)を大切にして、しっかりと部下と向き合う必要があります。

社員は個性を持つ「人」であり、会社の方針や上司の考えに社員が納得できない状況が生じることもあると思います。それに対して向き合うことを避けるのではなく、「対話」を通して社員に語りかけ、立場や意見の違いを埋めて導いていく。それが「マネジメント」です。

単に制度を変える、ということではなく、評価マニュアルの整備や評価者訓練の実施など、運用面も含めて変革し、しっかりと上司が部下と向き合い、共に仕事を通じて成長できる仕組みを創り上げていきます。

 

社員の皆さんへのメッセージ

 

インタビュアー

最後に社員の皆さんへメッセージをお願いします。

 

石井さん

世の中は常に変わっていきます。働き方もさらに変化して行くでしょう。そうした環境の変化に適応し、社会人として自律的に成長していくことは、とても大切だと思います。
会社がすべてを主導し、皆がなんとなくキャリアアップしていくという時代は終わりました。これからは、社員自身が将来目指すキャリアを描き、それを実現するために挑戦や努力を続けていくことが一層大切になります。
それが、より豊かで働きがいのある社会人生活を送る第一歩になると思います。

会社としても、成長したい、変わりたいと思う人が、新しい挑戦や自己研鑽ができる取り組みを進めていきます。是非、積極的に会社を活用し、ご自身の成長につなげて頂きたいと思います。

 

 

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