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多様なお客さまのニーズに応える!新しい受付レイアウトのねらいを紹介!

2023.10.27

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営業所の事務業務を見直し、お客さまに向き合える環境をつくるため、本社と地域統括、主管支店、営業所が一緒になって推進している「営業所事務業務適正化プロジェクト」

そこではワークスケジュールの導入と交番の見直しを行うことで仕事の土台づくり進めています。

 

さらに、7月から「受付プロジェクト」をスタート。受付のレイアウトや業務に関する全国共通のルールづくりを行っています

 

11月号の特集では、新しい受付レイアウトづくりに参加した深作営業所と高知佐川営業所を紹介しました。ここでは受付レイアウトの変更でお客さまへの向き合い方が具体的にどう変わったのかを詳しくご紹介します

 

記事の後半では、レイアウト変更に携わったプロジェクトメンバーに、新レイアウトに対する「本音」をインタビュー!

素早く発送や受取がしたいお客さまと、発送準備を手伝ってほしいお客さま、両方のニーズに応える受付を目指して、試行錯誤を続ける社員の想いをご紹介します。

 

11月号特集「それぞれの工夫を全国に広げて、みんなで働きがいのある営業所をつくろう」を読んでいない方はこちらからご覧ください。

 

「受付プロジェクト」とは?

5月に各主管支店1建屋以上、計126建屋で実施した第1回トライアルの結果、受付のレイアウトや業務に関しては全国共通のルールがなく、お客さま対応の仕方も営業所によりバラバラで、営業所によって受付の対応スピードが異なる、待機列の位置や数が統一されておらずお客さまがどこで待てばいいのかわからない、などの課題があることがわかりました。

こうした課題を解決するため、7月に本社の事務適正化プロジェクトチームと全国19営業所の有志21名が共に「受付プロジェクト」を立ち上げました。

どの営業所でもお客さまが便利で快適に発送や受取ができるように、それぞれの営業所のよい部分を取り入れながら、受付レイアウトに関する共通ルールづくりを行っています。下期中に、新しい受付レイアウトを全国に展開する予定です。

 

受付レイアウトはどう変わる?

受付プロジェクトに参加している営業所で新しい受付レイアウトのトライアル(選先行導入)を8月に行いました。受付レイアウトがどう変わるのか、深作営業所の例をご紹介します。

Before

これまでの受付レイアウトの課題

・会計・受取カウンターと送り状発行コーナーが一体化していたことで、お客さまが送り状を作成している間はカウンターが埋まってしまい、会計・受取をすることができなかった。その結果、すでに送り状を作成済みのお客さまや受取のお客さまをお待たせしてしまうことがあった。

会計・受取カウンターの待機列の位置が定まっていないことで、会計・受取でお待ちのお客さまが複数の待機列を形成してしまい、どのお客さまを先に対応するべきかがわからず社員が混乱することがあった。

・引取荷物保管棚や資材棚が会計・受付カウンターから離れた場所に設置されていることで、受取の荷物や資材を取るための移動に時間がかかり、お客さまをお待たせしてしまうことがあった

・事務机が会計・受取カウンターから離れた場所に配置されていることで、お客さまが来店されたことに内勤事務を行っている社員が気づかず、受付混雑時にサポートに入るのが遅れることがあった

 

After

▲梱包、送り状発行、会計・受取カウンターへと順番に進んでもらえるよう、中央にパーテーションを設置。

お客さまの待ち時間を最小限にするために、受付プロジェクトで定めた基本ルールに従って、レイアウトを変更しました。

 

新しい受付レイアウトの基本ルール
コンセプトは「スムーズ&スピーディー」

▲Before(※クリックして拡大できます)

▲After(※クリックして拡大できます)

【ポイント1】 構内の近くに会計・受取カウンターを配置する

発送する荷物を構内に持っていく移動を最小限にすることで、作業時間を短縮

【ポイント2】会計・受取カウンターの近くに「引取荷物保管棚」「事務机」「資材棚」を配置する

GOPの業務にかかわる動線を最小限にし、よりスピーディな対応を可能に。
【ポイント3】同じ場所で行われていた会計・受取と送り状発行を分離し、送り状発行コーナーを配置
送り状発行コーナーでお客さまに発送準備をしていただくことで、お客さまへの対応時間を短縮する。同時にあらかじめ発送準備をして来店したお客さまを先に接客可能に。
【ポイント4】 会計・受取カウンターと送り状発行コーナーの距離を取る
お客さまの待機列が交差して、混乱するのを防ぐ。
【ポイント5】入口から各コーナーを工程順に(梱包→伝票発行→会計)に一筆書きになるように配置する
お客さまの動線をシンプルにし、交差するのを防ぐ

▲レイアウト変更の際には、近隣の営業所の所長が集結!協力して什器の移動を行いました。

レイアウトを変更したことで、お客さまにとっても社員にとってもより便利で快適な受付になりました。

 

【レイアウト変更の効果】

・会計・受取カウンターと伝票発行コーナーを分けたことで、お客さまが送り状を作成している間もカウンターが使えるようになり、発送準備ができているお客さまや受取のお客さまに素早く対応できるようになった。

・引取荷物保管棚を会計・受取カウンター近くに配置したことで、業務効率が上がり、お客さま対応のスピードがあがった。

・梱包コーナーから会計・受取カウンターまでを一筆書きになるように配置したことで、動線が明確になり、お客さまに一つの待機列に順番に並んでいただけるようになった。

・事務机が会計・受取カウンターの近くに配置されたことで、内勤事務を行っている社員がお客さまのご来店に気づき、混雑時には素早く受付のサポートに入ることができるようになった。

 

新レイアウトの効果は?深作営業所長に聞きました

Q.新レイアウトに対するお客さまの反応はいかがですか?

深作営業所 所長 倉橋慎太郎さん

レイアウトを変更したことで、常連のお客さまからは「ネコピットの位置が変わっている」「荷物を受取るには、どこに並べばいいんだろう」と戸惑う声もありました。中央にパーテーションを置いて動線を分かりやすくしたところ、迷わずスムーズに発送準備をしていただけるようになりました。また、レイアウトを整理したことで受付全体が広くなり、常連のお客さまにはこんなに広くなったんだ!と喜んでいただいています。

▲待機場所がひと目でわかるように、床に目印をつけている。

Q.新レイアウトの良い点はどこですか?

倉橋さん

以前は、お米などの重い荷物を発送する場合、お客さまは二名以上でご来店され、一人のお客さまが送り状を発行している間、お連れさまが荷物を持って待っていることが多くありました。レイアウトを変更し、各コーナーに荷物置き場を設置したことでお客さまが荷物を置いてゆっくりと発送準備ができるようになったのがとても良かったです。

▲以前よりも広くなった梱包コーナーと送り状作成コーナー。

Q.新レイアウトの課題について教えてください。

倉橋さん

深作営業所には、若いお客さまと高齢のお客さまが同じくらいいらっしゃいます。若いお客さまのほとんどは新レイアウトにすぐ慣れ、お一人でネコピットを操作しスムーズに送り状を発行されています。その一方で、高齢のお客さまからは「ネコピットの操作を手伝ってほしい」とお呼びがかかることが多く、その都度、受付から離れなければなりません。そうすると、高齢のお客さまには、私たちが送り状発行コーナーに移動する時間をお待ちいただく必要がありますし、ネコピットの操作をお手伝いしている間は、発送準備ができているお客さまや荷物を受け取るお客さまにお待ちいただく必要があります。今後は、すべてのお客さまが迷わず送り状を発行できるよう、ネコピットの操作マニュアルを設置しようと考えています。

また、会計・受取カウンターと送り状発行コーナーを分けたことで、送り状発行時に「宅急便をスマホで送る」などのお得な発送方法のご案内がしにくくなりました。送り状発行コーナーにご案内ポスターを貼るなどして対応する予定です。

Q.今後取り組んでいきたいことを教えてください。

倉橋さん

まだまだ工夫が必要な点もありますが、試行錯誤を重ねることで、より良い受付に一歩近づいたと思います。最終的には「やってよかった」と必ず思える取り組みだと確信しているので、今後もさらに改善を重ね、お客さまにとっても私たちにとっても便利で使いやすい受付をつくっていきたいです。

主管支店からのコメント
埼玉主管支店 事務プロセス担当マネージャー 小暮剛嗣さん

高齢のお客さまにとっては、従来のような、梱包から荷受けまでお客さまに付き添うことを前提とした受付レイアウトが適していました。一方で、素早く発送や受取がしたい若いお客さまのニーズには応えきれていませんでした。今回、所長が事務スタッフと共に細部までこだわってレイアウト変更をおこなったことで、より多様なお客さまのニーズに応えられる受付に近づいたと思います。

ヤマトでは、「宅急便をスマホで送る」などの素早く簡単に発送できるサービスを提供しています。営業所の受付もそれに合わせ、素早く発送や受取をしたいお客さまのニーズにも応えられるような体制へと変わっていけるように、今後も営業所の皆さんと共に試行錯誤を重ねていきます。

「初めは泣くほど嫌だった」 レイアウト変更までの道のりを、高知佐川営業所の山﨑さんにインタビュー!

高知佐川営業所でも、8月に新しい受付レイアウトのトライアルを実施しました。受付プロジェクトのメンバーとしてレイアウトの変更に携わった山﨑香織さんは、当初、レイアウト変更でお客さまとの関わり方が変わることがとても不安だったそう。しかしトライアルを行う中で、新レイアウトのメリットを実感したのだと言います。どんな心境の変化があったのでしょうか。レイアウト変更までの道のりをお聞きしました。

 

▲レイアウト変更前

▲レイアウト変更後

\この人に聞きました!/
高知主管支店 (受付プロジェクト開始当時は高知佐川営業所所属)
山﨑香織さん

インタビュアー

まずは「受付プロジェクト」に参加したきっかけについて教えてください

山崎さん

「本社と一緒により良い受付をつくるチャンスだ!」と思い、受付プロジェクトのメンバーに立候補しました。特に、会計・受付カウンターから離れた場所に設置されていた引取保管棚は、以前から使いづらいと感じていたので、各営業所の工夫を取り入れて、引取保管棚の新しいレイアウトとオペレーションを考えることができたのがとても良かったです。「これでお客さまをお待たせせずに済むぞ!」という期待感を持ちました。

インタビュアー

前向きに受付レイアウトの改善に取り組んでいたのですね!

山﨑さん

はい。ですが正直、「会計・受付カウンターでのお客さま対応の時間を短縮するために、お客さまご自身に発送準備をしていただく」という方針には、当初は納得できませんでした…。高知佐川営業所では、店舗の外までお客さまをお出迎えにいき、お客さまの代わりに荷物を持って、梱包から会計まで付きっ切りでお手伝いするのが当たり前でした。そうした丁寧な接客が、ネコピット利用率80%以上という成果にも繋がっています。新しいレイアウトになったら、高知佐川営業所が育んできた大切な文化が失われてしまうのではないかととても不安で、「考え直してください!」と地域統括の事務適正化担当マネージャーに泣きついたほどでした。

インタビュアー

そうでしたか。新しい受付レイアウトに対する心境が変わったきっかけは何ですか?

山﨑さん

新レイアウトのトライアル期間が間近に迫ったことで、「ここまできたら、やるしかない」と腹をくくったのがきっかけだったと思います。事務スタッフと協力して梱包コーナーの机を移動させたり、新しい什器を組み立てたりしているうちに、少しずつ前向きになってきたんです。「この先どうなるか分からなくて不安だけど、変わるためには一歩踏み出さなければ」と気持ちが切り変わっていきました。地域統括の事務適正化担当マネージャーが「新レイアウトでも、高知佐川ならではの良さを残していくことはできるよ」と温かい言葉をかけてくださったのも、支えになりました。

インタビュアー

新レイアウトのメリットを実感したのはいつですか?

山﨑さん

新レイアウトでの接客中、高齢のお客さまの梱包をお手伝いし、荷受を済ませた後、すぐに若いお客さまがご自身で発送準備を終えた状態で荷受カウンターまで来られたのを見た時に、「なるほど、これを実現したかったのか!」と腑に落ちました。

また、発送準備を全てお手伝いしてさしあげなくても、私たちがご案内方法を工夫すれば、高齢のお客さまにとっても使いやすい受付にできることに気が付きました。

今では、どのようにお客さまをご案内すればよりスムーズに発送・受取の対応ができるのか、他のスタッフと一緒に新レイアウトを活かしたオペレーションを考えています。

インタビュアー

新レイアウトに対してお客さまの反応はいかがですか?

山﨑さん

常連のお客さまは「一人で発送準備するなんてムリぞね!」と驚いていましたが、「大変な時は今まで通りお手伝いするので大丈夫ですよ」「ドッコラショと言う間に発送を済ませて帰れるようになったんですよ」とお伝えすると、納得してくださいます。受付が広くなったり、受取がスムーズになったりしたことへの喜びの声もいただいています。

インタビュアー

今後の意気込みをお願いします!

山﨑さん

下期から新レイアウトが全国に展開されますが、受付プロジェクトはこれで終わりではありません。お客さまから選ばれる営業所になるために、これからも改善を続けていきます!

おさらい!「営業所事務業務適正化プロジェクト」とは?

▲営業所事務業務適正化プロジェクトの皆さん

これまで営業所ごとに1日の仕事の流れや人員配置の考え方が異なり、人員の過不足や仕事の属人化が起こっていました。本プロジェクトでは、全国各地の営業所の工夫を取り入れながら、事務業務の1日の流れを可視化し、適正な人数を配置することで仕事の土台を作り、社員が働きやすい環境づくりを進めています。

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