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行政・自治体へのアプローチの鍵は、“深く相手を知る”ことから始まる。

2023.02.24

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YAMATO NEWS 3月号の特集では、「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」を自治体が導入する事例を紹介しましたが、そもそもどうやって自治体にアプローチすればいいのか。信頼関係をどう築いていくのか、疑問に思いませんか?

 

今回は、秋田県のすべての市町村にアプローチし、多くの自治体と包括連携協定を結び、地域に貢献できるサービスを提案している秋田主管支店営業担当の加藤マネージャーにお話を伺いしました。

 

秋田主管支店営業担当 マネージャー
加藤 奏一さん

SDとして入社後、法人営業支店やマレーシアヤマト運輸の勤務を経て、現職。

結ぶことが目的ではない!包括連携協定締結のその先へ

インタビュアー

秋田主管支店と地域との連携が進んでいる背景について教えてください!

加藤マネージャー

一時期「協定を結ぶこと」がある種ブームだったことがありました。協定締結を急速に進めるあまり、気付けば協定式で市長と主管支店長が笑顔で握手することが目的になっていたと感じます。一方、ヤマトはふるさと納税ソリューションや、ハローライト訪問プランなど良いサービスがあるにも関わらず、この関係性を生かせていない、もったいないと感じていました

 

 

協定に関する資料を見ていると災害訓練など、地域とつながるチャンスがいろいろあると気づいたのです。そこで、「良いサービスを、連携協定を結んだ自治体にアプローチするのが一番だ」と考えました。
実運用として地域の方々に本当に貢献できるサービスを提案することを目的とし、2020年に大館市との協定からハローライト訪問プランなどのヤマトのサービスを含めた包括連携協定を結んできました。

 

インタビュアー

具体的に、地域に貢献できるサービスとは?

加藤マネージャー

秋田主管支店では現在10の自治体と包括協定を結んでおり、協定は8つの項目に分かれています。

ハローライト訪問プランは、2年前に秋田県横手市から地域共創部にお問い合わせいただいたのがきっかけで、4つ目の項目「安全・安心な地域づくり」の中の、地域の見守りネットワークの強化の1つの取り組みとしてご提案しています。

他にも、大分県中津市さまとのふるさと納税のモデルを提案の参考にするなどしています。自治体との連携は長年積極的に行ってきたので、懐に入れる土壌があるのが、秋田の強みだと思います。

自治体へ協定の提案を行う際の8つの項目

1.物流・人流の活性化 

2.災害対策 

3.地域の福祉

4.安全・安心な地域づくり 

5.地域の活性化・魅力発信及び観光振興

6.特産物の国内外への販路拡大 

7.環境維持・保全 

8.人財育成

そのほか、各自治体の要望に応じて協働する取り組みの内容を盛り込む。

自治体との関係性を築く第一歩は、まずは相手を知ること。

インタビュアー

営業担当者として、相手を知るためにまずすべきことは何でしょうか?

加藤マネージャー

まずは情報収集です。その地域の歴史、人口、世帯数、面積、男女比、コミュニティ、インフラなどをすべて調べるようにしていますね

 

例えば市や群が合併していれば、出身者によって考え方や思考が違います。特産品や、その地域で売れているもの、どういうコミュニティがあるのかなどを知っているのと知らないのとでは会話の質が変わってきます。サービスを一方的に伝えるだけの押し売り営業にならないように、注意すること。自治体が抱えている顕在的な困りごとと潜在的な困りごとの両方を調べた上でアプローチをすることが大事です

▲加藤Mの自治体を理解するためのプロセス

インタビュアー

具体的に商談を進める上で、気をつけるべき点があれば、教えてください。

加藤マネージャー

まず理解しておかなければいけないのは、自治体にとっての「予算」の考え方は企業のそれとは違うということ。自治体にとって「予算=使い切るお金」なので、年間スケジュールの中で予算を策定する時期が決まっています。多くの自治体では年末には既に来期の予算案が大方固まっているので、相手のスケジュール感をしっかりと把握し、逆算した上で適切な時期に動き始めることが必要です

 

インタビュアー

スケジュールから逆算した動きが重要なのですね!商談でのコツはありますか?

加藤マネージャー

商談には必ず決裁者に同席してもらうことです。市長や部長など、決裁権のある方が同席しないと話は進みません。私は「○○さんにも同席していただきたい」とお願いし、必ず呼んでもらうようにしています。また、入念に勉強をして、どんな質問をされても答えられるように“武装”はします。

 

自治体と協定を結ぶと、さまざまなパイプができ、どこの誰に連絡を取るべきかなどの情報が手に入ります。よって、提案のスピードは段違いに早くなります。意思決定のルートを把握したり、キーマンに直接会うことができるなど、自治体との協定締結は商談を進める上で大きなメリットです。また、「ヤマト運輸」というブランド力もここで強く発揮されるということを日々実感しています。

▲自治体の合意決定プロセスに対する加藤Mのアプローチ

加藤Mの自治体と関係性を築くポイント!

  • 地域に関する情報収集は徹底して行う!
  • 表面的な課題とまだ見えていない課題の両方を見つけるように意識!
  • 自治体の動きを逆算して準備し、商談には必ず決裁者に同席してもらう!

いろんな人を巻き込み、地元にお金が落ちるようにする!

 

インタビュアー

その他、自治体や地域で活動する上で、意識している点をえてください!

加藤マネージャー

ただ運ぶのではなく、「送る手前」も意識することが大事です。近年、自治体は発送業務を大手の代行企業に委託することが多くなりました。例えば、秋田県のふるさと納税にも関わらず、東京都に拠点を置く代行企業が手数料を多く取り、東京にお金がおちるという構造が生まれています。これではいけないと思い、地元の代行事業者が仲介することはできないかと考えました。そうすると、手数料は秋田県に入ります。

 

ふるさと納税のソリューション提案時は、代行事業を行う地元のシステム会社と自治体とをつなげ、秋田県の事業者への還元や、自治体への納税額の増大を促します。宅急便の量を増やすことに限らず、プロセスから改善していくなど、支援できる領域はたくさんあると考えています

 

 

インタビュアー

パートナー企業と一緒に、地元事業者向けにいろいろな活動をされていると伺いました。

加藤マネージャー

秋田県内の事業者さまを200社ほど招き、「はじめてのメルカリShops」というワークショップを2022年6月、メルカリさまとコラボで開催しました

 

メルカリさまから利用者を増やしたいというご相談に応えるべく、地元の事業者さま向けにメルカリの使い方を実習形式で教えていくというものです。スマホを使った商品写真のアップロード方法、コメントの入れ方、タグ付けの仕方など、「メルカリShops」を初めて使う事業者さまとスマホを使って一緒に実践。女性の参加者が多かったのが印象的で、非常に好評でした。

▲ワークショップの詳細(クリックして拡大)

 

▲ワークショップの様子(左:大館市、右:大仙市)

インタビュアー

自治体オリジナルの段ボールもすてきです。

加藤マネージャー

各自治体が、コロナ禍で県外にいる親族や学生の皆さんに、市の特産品を送るプロジェクトを始めました。ヤマト運輸も「地域のことを忘れないで」というメッセージを込めたデザインや輸送に協力。その後も、ふるさと納税の返礼品のサイズ感に合わせた段ボールを設計するなど人気のオリジナル段ボールを制作しました。自治体とこのような形で地域貢献していくことも、ヤマト運輸のサービスの一つだと思います。

 

 

 

 

2021年4月に協定を結んだ美郷町、オリジナル宅急便BOXを共同製作。

 

インタビュアー

本当に楽しそうにお仕事をされていますね!

加藤マネージャー

自治体との取り組みに関して、大変なこともありますが、大変さよりも「楽しい」が勝るんです。東北地域内でも情報交換を活発に行ったり、色んな主管支店とコラボして楽しみながら活動しています。長崎主管支店の営業担当の方とも仲が良いんですよ(笑)

 

インタビュアー

地域と地域がつながって、社内の輪も広がりますね!

地域・自治体を深く知り、そこで初めて私たちからの提案があるべき

加藤マネージャー

行政・自治体へのアプローチは、まずは、「自分はどのようにその地域に貢献していきたいのか?」を考えることが大切だと思います。起点には、各自治体の困りごとや実現したいことがあり、ヤマト運輸のサービス提案はそのあと。その順番が逆になってはいけません。

 


そのためにも、地域や自治体のことを深く知ることが大事だと考えています。お客さまから頼られる楽しさを感じながら、これからも地域貢献をしたいと思います。何でも惜しげなく公開するので、ぜひ話しましょう!

※オリジナル資料の詳細を知りたい方は、加藤マネージャーまでお問い合わせください。

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