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障がいのある方の職場見学から活躍まで、人事担当が営業所長を強力サポート!【富山主管支店】

2023.05.17

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富山主管支店では2021年度より、営業所での障がい者雇用に力を入れています。

主管支店の人事・総務担当が営業所長に寄り添い障がいのある方の採用前から入社後まで、一緒に取り組んでいます。

 

2022年度には管下の営業所で3名を採用できました。

今回は、富山主管支店 人事・総務担当 障がい者雇用推進者の河原さんと柴田さんに、“寄り添い型”人事の取り組み今後の展望についてお話しいただきました。

(左から)河原祐子さん、柴田祐佳さん

河原さんは、人事・総務担当歴10年以上。2021年に、障がい者雇用推進者になりました。

2022年に柴田さんが加わり、2人体制で推進中です!

 

営業所長に“寄り添う”人事担当の取り組み

 

障がいのある方の雇用。不安が多いからこそ、脱・現場任せ!

営業所で障がいのある方を雇用しようとすると、そのプロセスは営業所長任せになりがちです。富山主管支店管下では、初めての経験に戸惑いながら取り組んでいる営業所長が多くいました。

営業所長たちは不安そう。何かできることがあるはず…。

河原さんと柴田さんはそう考え、応募から入社、就業、契約更新までのプロセスの全てをサポートすることにしました。

「入社前の職場見学から、入社後の活躍まで、全てを見届けます!」

 

と話すお二人。各プロセスで、どのようなサポートをしているのでしょうか・・・?

 

面接前の職場見学時①:仕事の内容が伝わるように、営業所長の「ヤマト用語」を通訳

SD、ゲスオペ、ボウズ・・・普段、何気なく使われているヤマト用語や物流の専門用語は、障がいのある方が働く上で障壁になることがあります

そこで、応募者が営業所の職場見学に来る日に、人事担当が同席。営業所長が説明する内容が「分かりにくい」と感じたら、人事担当がその場で平易な言葉に直して解説し、応募者の理解を助けます

河原さん、柴田さんは見学に同席するときには「今日は通訳で来ました(笑)」と冗談交じりに話すそうです!

 

面接前の職場見学時②:営業所長が聞きづらいことを、代わりに質問

障がいの程度のこと、本人にどこまで踏み込んで聞いていいのだろうか」。
営業所長にはこのような悩み・不安があります。

 

こうした悩みにも人事担当が寄り添い、障がいの特性について営業所長の代わりに聞くなどのサポートをします。

 

職場体験時:一緒に参加し、必要な配慮を考える

見学の次は、職場体験です。その場にも人事担当が同席し、応募者が働くにあたり現場で配慮すべきことを、ご本人と営業所長と一緒に考え、決めていきます。

 

職場体験を終えた方は面接に進み、お互いがマッチングすれば入社となります。

 

入社後:契約更新時の面談で、お悩みや「もやもや」を解決!

障がいのある社員の入社後は、契約更新の時期に合わせて人事担当が本人と面談します。面談といっても、お悩み相談会のようなものです。

「困っていることや、わからないことはありますか」と聞き、「出勤することになっている曜日だけど、休みがほしい。どうしたらいいか」「給与明細の見方がわからない」「同じお酒でも、緩衝材で包む場合と包まない場合がある。なぜ?」といった、働き方や仕事に関する悩みや疑問を聞き出します。

 

そして、本人と営業所長の間に立って、細かな疑問やもやもやを解決していきます

 

契約更新時の面談の様子

営業所長が替わるタイミングにも立ち会う

営業所長が異動する際には、新しい所長への引継ぎの日に、人事担当が営業所を訪問。障がいのある社員を交えて、顔合わせと引継ぎをします。

 

障がいのある社員へ、旧営業所長から新営業所長を紹介してもらいます。

新しい営業所長にも、何でも相談して大丈夫ですよ」と伝えることで、所長が変わっても安心して業務に取り組んでもらえます。

 

このように河原さんと柴田さんは、職場見学から契約更新、入社後の活躍まで、各プロセスでご本人と営業所長に細やかに寄り添っています!

 

 

【こんな取り組みも】ハローワークへ業務内容を「動画」で説明

ハローワークのスタッフの方に業務内容をきちんとご理解いただくことで、応募者とヤマト側とのミスマッチを減らすことが期待できます

そこで富山主管支店では、募集内容の説明文とともに、実際の業務風景を撮影した動画をハローワークに提供。20秒程度の無編集の動画ですが、見学や面接の問い合わせが増加しました!

言葉だけでは伝わらない、リアルな空気感や仕事のイメージを掴んでいただきたい」という思いで実施しています。

動画の例(ベースでのクロネコDM便仕分け作業)

営業所長からのメッセージ ~一緒に進めて、ここが良かった!~

 

黒崎営業所長 常川 勝さん(現在は富山主管支店 営業(品質)担当マネージャー)

障がいのある方を雇用するのは初めてでした。知識がなかったので不安でしたが、職場見学から打ち合わせ、実際に雇用してからも、人事担当の河原さんと柴田さんが寄り添って助けてくれたことが、とても励みになりました。

 

立山営業所長 赤祖父 広幸さん

障がいのある方の受け入れは初めての試みで、接し方や、どこまでの配慮が必要なのか不安でした。河原さんと柴田さんが、配慮すべき点を一緒に考えてくれたり、採用後には本人との社内便(手紙)のやり取りや定期的な現場訪問などをしてくれています。本人も喜んでいますし、寄り添った対応に私もとても感謝しています。

今では営業所の他の社員も、障がいのある仲間への理解度が深まり、良好な関係性が築かれていると感じます。入社から約1年たちますが、これまで継続して勤務いただいているのは、何よりも人事担当の関わりのおかげだと実感しています。

 

どんな人にも優しく、配慮できる職場づくりを目指して

営業所での障がい者雇用を強化するための工夫は、他にもあります。

 

月次で開催される主管支店の業務改善会議の中に、障がい者雇用の取り組みを紹介する時間を設定。営業所長に向けて、他の営業所での好事例紹介や障がい者支援に関する知識の共有を行っています

営業所長の皆さんに「あのお店でもできるのなら、うちでもやってみよう」「人事担当がフォローしてくれるなら安心」「障がいのある人に仕事を任せるのは難しいと思っていたが、案外できるかも」などと感じていただくことがねらいです。

人事担当と連携することで、障がい者雇用に前向きな気持ちになり、トライする営業所が少しでも増えてほしい」と柴田さんは話します。

 

 

人事担当より

 

河原さん

障がいのある社員がイキイキと働いている営業所は、職場全体の雰囲気が優しく、業務の簡素化も進んでいます。障がい者雇用を進めることが、誰でも気持ちよく働ける環境づくりにつながっていると感じます障がい者雇用に必要なのは、特別な知識やスキルではなく、人に優しくする、配慮する心だと実感しています。

 

柴田さん

営業所長と一緒に試行錯誤しながら進めてきました。大きな穫は、私たち人事担当と所長の皆さんとの関係が深まり、一体感が生まれてきたことです目標を立てて施策にトライする中で、主管支店と営業所の間の雰囲気が、どんどん和やかになっていくのを肌で感じます。障がい者雇用以外の業務も進めやすくなりました。

 

【まだまだやります】初開催! 障がい者雇用未経験の営業所長と「勉強会ツアー」へ

 

5月2日、障がいのある方を雇用したことがない営業所長(1グループ3-4名)を誘って、勉強会ツアーを実施しました。

 

 

10:00~11:30
富山高等支援学校(軽度知的障がいのある生徒の就労支援を目的とする特別支援学校)を訪問
清掃・ピッキング作業・食品加工の実習を見学しました。

 

参加した所長さんからは

生徒さんの工夫が素晴らしい。タイムを計り、先月の自分と比べて生産性を確認したり、作業効率向上のために道具の置き場を決めたり。作業状況を報告する姿もあった」

「障がいのある生徒さんたちが、社会生活に必要なことを学んでいた。できる仕事がたくさんあると思う。ぜひ営業所で受け入れたい
「雇用する際には、業務の手順書か指示書を用意する必要があるとわかった」

障がいのある方に対するイメージが覆された。頑張っている様子を営業所のメンバーにも見てもらい、皆で理解を深めたい」

などの声が上がりました。

 

特別支援学校の授業を見学後、先生と座談

13:00~14:00

障がいのある社員(大場さん)が働いている、立山営業所を訪問

SDの休憩中に大場さんが荷物の仕分けをする様子を見学しました。

その後、赤祖父営業所長に、大場さんのお陰でSDの一斉休憩が実現できていることや、大場さんの強み(任された仕事をしっかりとこなし、それを継続できる)、大場さんと働くにあたり必要な配慮(例えば、障がいの特性を他の社員に周知する、新しい業務を頼む場合は混乱を避けるため必ず所長から指示する)を説明いただきました。

営業所長の皆さんは、とても熱心に参加してくださいました。

赤祖父所長(右端)の説明を聞く参加者の皆さん

 

富山主管支店はこれからも色々な施策に挑戦し、障がいのある社員が活躍できる職場づくりを推進していきます!!

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