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知識も経験もゼロから障がい者雇用率2.7%を実現【成田主管支店】

2023.03.15

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ヤマト運輸の障がい者の雇用先として最も多いのはベースですが、ベースがないにも関わらず、障がい者雇用率2.7%(2022年12月度実績)と高い雇用率を達成している成田主管支店。その背景には、障がい者雇用のスペシャリスト伊原政博さんの存在があります。

「障がい者雇用に関する知識と熱意があって頼りになる存在」と称される伊原さんに、障がい者雇用にかける想いや働きやすい職場づくりの工夫についてお話いただきました。
 

伊原 政博さん

所属:成田主管支店
職種:人事・総務担当 障がい者雇用推進者

2000年入社。ベース勤務を経て、2012年から人事・総務担当

 

知識も経験もゼロからのスタート

Q.障がい者雇用を担当することになった経緯を教えてください。

A.以前福祉施設で働いていたことから、障がい者雇用担当に任命されましたが、実は・・・

私が障がい者雇用担当になったのは10年以上前です。私が福祉関係の仕事をしていたことを知った上司から、障がい者雇用担当に任命されました。しかし実際のところ、福祉施設では非常勤としておむつ交換などの簡単なサポートしかしていなかったため、就労支援や雇用に関する知識は皆無。ゼロからのスタートだったので、初めはひたすら勉強の日々でした。

大きな転機になったのは、県が開催している「企業と特別支援学校をつなぐセミナー」に参加したこと。障がい者雇用のノウハウを一から勉強できただけでなく、セミナーを通して県内各地の特別支援学校や支援機関とのつながりができ、困難に直面した時にも一人で抱え込まずプロに相談することができるようになりました。上手くいかないことがあっても挫けずに採用活動を続けることができたのは、外部の支援機関とのつながりがあったからだと思います。

 

▲県主催の「企業と特別支援学校をつなぐセミナー」に登壇する伊原さん

 

▲セミナーの講演には後輩が代理で登壇することもあり、障がい者雇用推進者の次世代の育成も進んでいます。

就労支援に力を注ぐ理由

Q.障がい者雇用や就労支援に注力する原動力は何ですか?

A.就労支援が足りず、やむなく退社した社員のことが忘れられません。

以前、障がいのある社員が、入社後8年近く経ったところで合併症が進行し、今までと同じように働けなくなってしまったことがありました。時短勤務にしたり配置転換をしたりと、働き続けられるよう手を尽くしたのですが、やむなく退社することになりました。ご家族からは、在籍中の配慮に対する感謝の言葉をいただきましたが、退社となることが無念だと涙を流されていた姿が忘れられません。

 

あの時他にできることはなかっただろうかと、今でも申し訳なく悔しい気持ちでいっぱいです。それ以降、支援不足で退社する方が出ないよう、より一層注力するようになりました。

▲障がいのある社員と外部団体の支援員、伊原さんで定期的に3者面談を行いフォローしています。

現場任せにせず、一緒になって働きやすい職場を作る

Q.障がいのある社員が働きやすい環境づくりのために、どんな工夫をしていますか?

A.トラブルが起きた際にすぐにサポートできるよう、現場と連携しています。

障がい者雇用では多少のトラブルは起きて当たり前。重要なのは、その対処を現場任せにするのではなく、解決に向けて一緒に取り組むことです。しかし成田主管支店が管轄するエリアは、主管から遠い場所にある営業所が多く、また交通アクセスも悪いため、頻繁に足を運ぶことが難しい。そのため主管の人事・総務担当が気付いた時には、対応するのが困難になってしまっているという状況が過去にありました。

 

そこで、問題を早期発見できるように、障がいのある社員に障がい者雇用推進者の連絡先を伝え、困った時には直接連絡をしてもらうようにしました。また、一緒に働いている営業所等のメンバーにもトラブルがあったらすぐに主管支店の人事・総務担当まで連絡するように周知しました。

成田主管支店内は小規模な営業所が多いため、これまで一度も障がい者を雇用したことがないという所長がほとんどです。しかし、日ごろから障がい者雇用の成功事例を現場巡回時や、主管の会議など所長が集まる機会があるごとに共有しているため、所長も雇用に前向きです。繁忙期のアルバイト募集に障がいのある方から応募があった際には「こういう障がいがあるそうなのだけど、どういう配慮したら雇用できそうかな?」と相談を受けることもあります。

 

▲成田主管支店のスタッフの皆さん

 

▲営業所で一緒に作業をする様子

 

「ヤマトに就職してよかった」と思ってもらえるように

Q.今後さらに注力したい取り組みについて教えてください。

A.障がいのある方が活躍できる場を広げていきたいです。

私が障がい者雇用の担当になったばかりの頃は、作業職の多いベースでの採用が中心でした。
しかし、仕事の割り振りを工夫することで、営業所にも障がいのある方の活躍の場を作れるということがわかりました。Oneヤマトになったことで、ロジセンターでの障がい者採用にも取り組んでいくことが次の目標です。

他にも、特別支援学校の卒業生には在学中に野球部に所属していた方も居るので、主管の野球部に勧誘し、オールヤマト野球大会に出場してほしいと思っています。障がい者雇用は採用がゴールではありません。仕事での活躍の場を広げたり、親睦会などで職場の仲間たちと楽しく余暇を過ごす場をつくることで、障がいのある方が仕事もプライベートも充実した暮らしを送れるように支援することが重要だと思っています。今後もご本人やご家族に「ヤマトに就職してよかった!」と思ってもらえるような取り組みを続けていきます。

▲親睦会でのお写真

伊原さんってどんな人?南関東統括内の障がい者雇用推進者から見た伊原さん

・ZOOM越しの画面からも、やさしさと誠実な人柄が画面からも伝わる方です。
本当に『人』が好きな人だなぁ、といつも感じています。すべての人との向き合い方がとても勉強になります。
・障がい者雇用・育成に関するプロフェッショナル。推進者会議内でも皆がハッとさせられるような目線でのお話が多く、気づきが多い。
・仕事に前向きな方。人事の仕事で書類が多く困っていたところ、簡単にできるツールを作成して地域内に広めていただいたこともありました。
・コミュニケーション力、寄り添い方も格別で、いつも伊原さんの話術に引き込まれます。真似したくても真似できない!
・「自分の仕事の中で、障がい者雇用に関わる仕事が好き」とおっしゃっていて、とても熱意と情熱を感じました。

▲毎月開催している障がい者雇用推進者会議の様子

 

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