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共同輸送で効率的な配送を。グループ連携の成果とは?

2021.06.30

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関西ゲートウェイベースでは、2020年夏からOneヤマトに向けてYGX・YHCと輸送の面でグループ連携を開始。お互いの取り扱っている商品を理解するところから始め、共同輸送を進めていくことでより効率的かつ高品質な輸送が可能となりました。まずお互いを知ることが、輸送の最適化の第一歩となりました。

 

このweb版記事では、冊子版の記事では紹介していない具体的な取り組みや知られざる苦労話をご紹介します!

>7月号冊子のチームを作る!コミュニケーションをご覧になってない方はこちらから!

 

渡邊 洋文さん

輸送機能本部 関西ゲートウェイベース 主事

(旧所属)関西支社 ベース担当主事

 

藤阪 峰司さん

グローバルSCM事業本部 伊丹空港支店 フォワーディングマネージャー

(旧所属)YGX 関西ベース 副ベース長

宮前 亮太さん

輸送機能本部 関西ゲートウェイベース マネージャー

 

武久 毅さん

YHC 関西統括支店 マネージャー

(旧所属) YHC 関西法人サポートセンター センター長

ーー共同輸送で苦労したことは何ですか?

宮前

宅急便と、航空貨物(YGX)、家財宅急便や引越(YHC)で商品が全く異なるので、今までと違うものが新たに入ってくるとストレスになるのではと心配していました。

 

なので、面倒くさがらずにこちらから足を運んで、お互いいい関係をつくることを意識しましたね。やってみると実際のところは共通点も多く、想像していたよりも連携しやすかったです。

藤阪

最初は、私たちの仕事をどれだけ理解してもらえるのか不安でした。密にコミュニケーションを取りながら、相互理解を深められてよかったです。

武久

家財宅急便はばら積み、宅急便はボックス輸送という、積載方法が違うところをどう融合していくべきか悩みました。互いの現場を見ながら協議を重ねることで、上手く調整することができたと思います。

宮前

YHCとの取り組みの中で、大きく分けると、関西地域内の輸送(短・中距離)と、東京や福岡などとの幹線輸送と二つにわけて、ボックス輸送への切り替えができないか検討しました。

 

YHCでは大きな荷物が多いので、基本は、積載効率などを考えて、ばら積みでトラックに積んでいるのですが、ばら積みはベースでの作業においては荷物の流動性が低くなり、作業に時間がかかるというデメリットもあります。

 

 

域内の輸送は、輸送距離は短いので、ボックス積みにすることで積み下ろしの時間を短縮し、トラックの回転率をあげることで、積載効率の低下分は吸収できました。

 

幹線輸送に関しては、関西GWから各方面に非常に多くのトラックが出ているので、それらのトラックの空きスペースをうまく見つけて積載することで、ボックス輸送に変えてもコスト増を小さくすることができました。

武久

域内の輸送に関しては、マテハンもボックス輸送に合わせたものに変更し、作業の効率化ができました。

渡邊

域内の各ベースとの配車時間の調整には苦労しました。輸送を行う時間帯が各社で全く違うので、配車の段取りが難しかったです。

 

 

各ベースに何度も足を運んでコミュニケーションをすることで、協力体制をつくることができました。

 

――安全・品質が向上したポイントは何ですか?

 

宮前

グループ連携を進めることで、時間帯や場所によっての作業ボリュームの偏りをなくして平準化することができ、安全面や品質面の改善を行う余裕ができました。

武久

YHCでは、関西GWとの連携によりYHCの関西法人サポートセンターのスペースに余裕が生まれ、より安全に作業ができるようになりました。

 

例えば、共同で渉外をおこなったある大口荷主さんの荷物は、当初はすべてYHC関西法人サポートセンターに荷物を運んで、仕分けをしてから方面別に運行車を出していました。

 

そのため、荷物量が多い時は、スペースに余裕がなくなって、高積みが行われるなど安全面においてリスクが高まることもありました。

 

これを関西GWでの輸送・仕分けに変更することで、構内のスペースに余裕ができ、安全に作業ができるようになりました。

渡邊

旧YGXの荷物を関西GWで仕分けし、旧YGX関西ベースをハブベースとして使用することで、関西GWの作業やスペースにも余裕ができました。

 

宅急便のセンターの中に、朝5時や6時にならないとトラックが入れないところがあり、到着の荷物について、仕分けが終わっていても、荷物をGWベースに滞留させていたため、スペースや、導線の確保に苦慮していました。

 

しかし、旧YGX関西ベースに、仕分けが終わった荷物を深夜に随時送って、保管スペースとして利用することができて、関西GWのスペースにも余裕ができ、安全面も改善できました。

 

藤阪

サービスレベルを改善させることができた事例もありました。

関西国際空港からの輸入雑貨について、YGX単体だとトラックの便数が少ないため、毎日遅い時間帯にベースに搬入していて作業が翌日に間に合わないこともあり、お客さまにはサービスレベルについて数日の幅を持たせてご案内していました。

 

しかし、関西GWと共同配車を行うことで、日中にもトラックを出すことができるようになり、早い時間に引き取ることができ、ほぼ翌日配達にすることができました。

――今後の課題について教えてください

 

宮前

YHCとは、共通のお客さまが多いので、お客さまに共同で提案できる部分をもっと増やしていきたいです。

また、旧YGXがもつ幹線輸送や航空輸送のネットワークをもっと活かしたい。一緒にできる領域はまだまだたくさんあると思っています。

渡邊

コロナ禍で、実際に会う頻度が減ってしまっていたので、改めてもっとコミュニケーションすればまだまだできることが見つかるなと実感しました。

 

最近も、旧YGXの施設を生かして、横持の輸送を共同で行うプロジェクトを始めています。三社で協力すればできることがもっと広がるはず。ベース間の連携を強化し、さらに融合を進めていきたいです。

武久

共同輸送の土台はできたと思うので、今後は繁忙期の対応など細かい部分での連携についても協議していきたいと思っています。

藤阪

グループ連携を進めていく中で、宮前さんや渡邊さんは輸送のプロだなと思いました。これからもプロの知識をお借りしながら、共同輸送体制をより洗練させていきたいです。

 

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